地域保健法施行後の業務実態からみた保健所保健婦の役割と課題

地域保健法施行に伴う保健所保健婦の役割変化から, 今後の保健婦活動及び保健婦の資質向上の課題を探ることを目的とした.全国の都道府県保健所493ヶ所の保健婦主務者を対象に郵送自記式質問紙調査を実施し, 347保健所から回答を得た (回収率70.4%).その結果, (1) 保健所組織及び保健婦業務体制の変更により専門性, 一貫性が向上する一方, 個々の保健婦による地域の総合的な把握が困難となった. (2) 保健事業では専門的サービスの提供や地域ニーズ把握のための調査研究, 在宅ケアシステムの整備等が今後の重点事項となっていた. (3) 市町村支援は情報の収集・分析・提供, 保健活動の企画・評価につ...

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Veröffentlicht in:THE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL 2000/03/01, Vol.50(2), pp.127-137
Hauptverfasser: 大野, 絢子, 矢島, まさえ, 森, 陽子, 吉田, 亨, 佐藤, 由美
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:地域保健法施行に伴う保健所保健婦の役割変化から, 今後の保健婦活動及び保健婦の資質向上の課題を探ることを目的とした.全国の都道府県保健所493ヶ所の保健婦主務者を対象に郵送自記式質問紙調査を実施し, 347保健所から回答を得た (回収率70.4%).その結果, (1) 保健所組織及び保健婦業務体制の変更により専門性, 一貫性が向上する一方, 個々の保健婦による地域の総合的な把握が困難となった. (2) 保健事業では専門的サービスの提供や地域ニーズ把握のための調査研究, 在宅ケアシステムの整備等が今後の重点事項となっていた. (3) 市町村支援は情報の収集・分析・提供, 保健活動の企画・評価についての助言等を強化していく方向性が認められた.今後の課題として (1) 市町村を総合的に把握し, 支援する方策の検討, (2) 事業評価や調査研究の実施体制強化があげられた.また, 保健婦の初任者・中堅者・主務者の段階に応じて求められる資質が明らかになり, 特に主務者における「各保健計画の策定, 進行管理, 評価能力」の強化の必要性が示唆された.
ISSN:1343-2826
1881-1191
DOI:10.2974/kmj.50.127