6. 間質性肺炎による急性呼吸不全が先行した多発性筋炎の一例
多発性筋炎には症状出現以前に間質性肺炎を発症する一群があることが報告されている. 今回我々は間質性肺炎による急性呼吸不全が先行した多発性筋炎の一例を経験したため, 報告する. 症例は52歳女性. 1999年2月より乾性咳嗽・呼吸困難が出現し, 徐々に増悪. 筋力低下はなかった. 血液学的データ上, 炎症反応およびLDHの高値を認めた. 抗Jo-1抗体は陽性, その他の自己抗体は陰性だった. 胸部X線写真・CTでは下肺野に末梢性の浸潤影を認めた. TBLBでは病理学的にBOOPに矛盾しない所見が得られた. BAL中リンパ球の増加を認め, CD4/8比は低値であった. 入院後, 下肢近位筋の筋力低...
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Veröffentlicht in: | The KITAKANTO Medical Journal 1999, Vol.49 (6), p.483-483 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 多発性筋炎には症状出現以前に間質性肺炎を発症する一群があることが報告されている. 今回我々は間質性肺炎による急性呼吸不全が先行した多発性筋炎の一例を経験したため, 報告する. 症例は52歳女性. 1999年2月より乾性咳嗽・呼吸困難が出現し, 徐々に増悪. 筋力低下はなかった. 血液学的データ上, 炎症反応およびLDHの高値を認めた. 抗Jo-1抗体は陽性, その他の自己抗体は陰性だった. 胸部X線写真・CTでは下肺野に末梢性の浸潤影を認めた. TBLBでは病理学的にBOOPに矛盾しない所見が得られた. BAL中リンパ球の増加を認め, CD4/8比は低値であった. 入院後, 下肢近位筋の筋力低下の出現と筋原性酵素の上昇を認めた. 筋生検では, 軽度の筋炎を示唆する所見が得られ, 筋電図では, pseudomyotonic dischargeなど典型的な所見が認められた. 以上から多発性筋炎と診断し, プレドニン30mg/dayの投与を開始した. 徐々に呼吸困難, 筋症状は改善し, 血液学的検査所見上も, 筋原性酵素の正常化を認めた. 全身状態は著明に改善し第54病日に退院となった. 現在, 呼吸困難, 筋力低下はない. 多発性筋炎に合併する肺病変には, BOOP, UIP, DADなどがり, 当症例ではBOOP型と考えられた. また, 筋炎症状に対し肺症状が先行型もしくは同時期型のものは, ステロイドに対する反応性が良好とする報告があり, 当症例もその範躊と思われた. 先行例では早期発見・早期治療のために筋原性酵素の確認が重要と思われた. |
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ISSN: | 1343-2826 |