18.診断が難しかったmalignant lymphomaの1症例

症例は, 81歳の男性. 平成10年3月22日頃より心窩部痛・嘔気出現. 同年3月25日当科入院. 同年3月27日の胃内視鏡検査にて胃角部後壁に深い潰瘍病変を認めた. 同年5月8日の胃内視鏡検査では前庭部大弯後壁に結節状扁平隆起を認め生検の結果non-Hodgkin lymphomaが強く疑われた. 患者が手術を拒否したため同年5月15日退院し近医にて外来で経過観察を行った. 同年8月1日頃より食欲不振・心窩部痛・嘔気を認め同年8月6日入院となった. 同年8月7日の胃内視鏡検査にて胃角部より前庭部後壁に隆起性病変と中央に大きな潰瘍病変を認めた. 生検にてmalignant lymphomaまた...

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Veröffentlicht in:THE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL 1999, Vol.49 (4), p.322-323
Hauptverfasser: 下山康之, 遠藤克明, 宇賀神一名, 冨田利夫, 大木一郎
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は, 81歳の男性. 平成10年3月22日頃より心窩部痛・嘔気出現. 同年3月25日当科入院. 同年3月27日の胃内視鏡検査にて胃角部後壁に深い潰瘍病変を認めた. 同年5月8日の胃内視鏡検査では前庭部大弯後壁に結節状扁平隆起を認め生検の結果non-Hodgkin lymphomaが強く疑われた. 患者が手術を拒否したため同年5月15日退院し近医にて外来で経過観察を行った. 同年8月1日頃より食欲不振・心窩部痛・嘔気を認め同年8月6日入院となった. 同年8月7日の胃内視鏡検査にて胃角部より前庭部後壁に隆起性病変と中央に大きな潰瘍病変を認めた. 生検にてmalignant lymphomaまたはintermediate grade malignancyのMALTomaが考えられた. ギムザ染色にてHelicobacter pylori(+)であったためamoxicillin 1500mg/day clarithromycin 800mg/day lansoprazole 60mg/dayにて1週間除菌を行ったところ潰瘍病変は徐々に改善を認めた. なお, 除菌は1・2・3ヵ月後のギムザ染色にてHelicobacter pylori(-)であった. 一方隆起性病変は改善を認めずCHOP療法(cyclophosphamide 750mg/day×1 day doxorubicin 50mg/day×1 day vincristine 1.4mg/day×1 day prednisolone 70mg/day×5 days)3クール化学療法を行ったところ徐々に隆起性病変は縮小した. malignant lymphomaは化学療法による感受性が高いために高齢者でも積極的に行うほうがよいと思われる.
ISSN:1343-2826