3. 純型扁平上皮癌を含む多発乳癌の1例

扁平上皮癌と乳頭腺管癌を合併した一側多発乳癌の1例を報告する. 症例は49歳, 閉経前女性. 主訴は右乳房腫瘤1997年3月右乳房腫瘤を自覚する. 腫瘤が急速に増大してきたため1998年3月2日当院を受診. 血液検査では異常なし. 理学所見ではA領域に3.0×2.8cmの弾性硬, 表面平滑, 可動性不良な腫瘤を, B領域に1.8×1.8cmの弾性軽度硬, 表面不整, 可動性良好な腫瘤を触知. MMGではBが石灰化を示したが, Aは丸いdense mass を示し, 石灰化やspicula形成は認めなかった. Echoで, Aは花弁状のLow echoで, 内部はheretogeneousであっ...

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Veröffentlicht in:THE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL 1999, Vol.49 (3), p.215-216
Hauptverfasser: 柳田康弘, 木村盛彦, 小井田時廣, 小川晃, 杉原志朗
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:扁平上皮癌と乳頭腺管癌を合併した一側多発乳癌の1例を報告する. 症例は49歳, 閉経前女性. 主訴は右乳房腫瘤1997年3月右乳房腫瘤を自覚する. 腫瘤が急速に増大してきたため1998年3月2日当院を受診. 血液検査では異常なし. 理学所見ではA領域に3.0×2.8cmの弾性硬, 表面平滑, 可動性不良な腫瘤を, B領域に1.8×1.8cmの弾性軽度硬, 表面不整, 可動性良好な腫瘤を触知. MMGではBが石灰化を示したが, Aは丸いdense mass を示し, 石灰化やspicula形成は認めなかった. Echoで, Aは花弁状のLow echoで, 内部はheretogeneousであっ た. MRIで, AはT1で早期に造影され持続した. 以上より右多発乳癌の術前診断にて3月26日Bt+Ax(Level III)を施行した. A領域は純型扁平上皮癌, B領域は乳頭腺管癌でありリンパ節転移はなかった. 咽頭, 扁桃, 食道, 肺, 子宮を精査するが異常なく, 扁平上皮癌も乳腺原発と診断した. 【考察】乳腺扁平上皮癌は全乳癌の0.1%程度と稀であり, 当院では3例0.19%であった. また本邦報告例では, 通常型乳癌を合併する一側多発乳癌の報告は本例以外に1例のみであった. 腫瘍は急激に増大して内部に壊死を伴うことが多く, 内部Echoはheretogeneous, MRIで内部が不整型に造影されるものが多い. 予後は病期をあわせると通常型乳癌と変わらないと報告されている.
ISSN:1343-2826