5. 左右対称性に生じた上小脳動脈末梢部動脈瘤

【臨床経過】症例は74歳女性. 家族歴, 既往歴に特記事項なし. 平成9年8月17日, 頭痛と嘔吐にて発症し, 頭部CTにて迂回漕から四丘体糟にかけてSAH(迂回漕は左優位)がみられた. 脳血管撮影にて両側SCAのhemisphere branchの屈曲部にそれぞれ動脈瘤を認めた. 【手術所見】8月27日に左subtemporal approachにて手術を行った. 左SCA動脈瘤周囲のclotを除去すると, ややbroad neckの嚢状動脈瘤が現れ, 新血管に平行になるようにneck clippiongを行った. 【術後経過】術後の脳血管撮影にて, 動脈瘤は両側とも残存しており, 手術時に...

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Veröffentlicht in:THE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL 1999, Vol.49 (1), p.54-54
Hauptverfasser: 大久保信治, 安達淳一, 長屋孝雄, 浅原隆之, 貫井英明
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Zusammenfassung:【臨床経過】症例は74歳女性. 家族歴, 既往歴に特記事項なし. 平成9年8月17日, 頭痛と嘔吐にて発症し, 頭部CTにて迂回漕から四丘体糟にかけてSAH(迂回漕は左優位)がみられた. 脳血管撮影にて両側SCAのhemisphere branchの屈曲部にそれぞれ動脈瘤を認めた. 【手術所見】8月27日に左subtemporal approachにて手術を行った. 左SCA動脈瘤周囲のclotを除去すると, ややbroad neckの嚢状動脈瘤が現れ, 新血管に平行になるようにneck clippiongを行った. 【術後経過】術後の脳血管撮影にて, 動脈瘤は両側とも残存しており, 手術時にclippingを行った動脈瘤は, 術前認められた動脈瘤のproxymalに別個にもう一つ存在していた. 術後, 一過性に意識障害と軽度の左小脳失調を認めたが, 徐々に改善し, 杖歩行が可能となり退院した. 【結語】左右対称性に生じた上小脳動脈瘤は非常にまれで, 今回我々は診断に難渋しながらclipping術を行い良好な結果を得た.
ISSN:1343-2826