4. 経気管支針吸引(TBNF)の有用性について
経気管支針吸引(Transbronchial Needle Aspiration:TBNA)は気管支鏡下に検査針を用いた肺あるいは縦隔組織のサンプリング法の一つである. いままでTBNAは細胞検査針により細胞標本を得るのみであったが, 最近では組織標本を採取するための組織検査針が使えるようになり診断の幅が広がりつつある. 今回我々の施設でも組織検査針を用いたTBNAにより組織標本を得られた症例を経験したので報告した. 症例は66歳男性で右肺下葉の異常影と縦隔リンパ節腫脹があり, 右下葉の原発巣からTBLBにて組織診を得るとともに気管分岐部リンパ節より十分な組織標本を採取して肺小細胞癌のリンパ節...
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Veröffentlicht in: | THE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL 1998, Vol.48 (6), p.500-500 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 経気管支針吸引(Transbronchial Needle Aspiration:TBNA)は気管支鏡下に検査針を用いた肺あるいは縦隔組織のサンプリング法の一つである. いままでTBNAは細胞検査針により細胞標本を得るのみであったが, 最近では組織標本を採取するための組織検査針が使えるようになり診断の幅が広がりつつある. 今回我々の施設でも組織検査針を用いたTBNAにより組織標本を得られた症例を経験したので報告した. 症例は66歳男性で右肺下葉の異常影と縦隔リンパ節腫脹があり, 右下葉の原発巣からTBLBにて組織診を得るとともに気管分岐部リンパ節より十分な組織標本を採取して肺小細胞癌のリンパ節転移を診断した. TBNAに用いた検査針はMillRose Laboratories社製のMW-319という組織検査針で, 内針は21ゲージで長さが5mm, 外針は19ゲージで長さが15mmとなっており, 21ゲージの内針がトロッカーとして硬さを保つ構造になっている. TBNAの具体的な方法としてはまず始めに気管支鏡下に検査針を挿入し, 内針と外針がともにでた状態で病変部を穿刺する. その後内針を引っ込めて, シリンジで陰圧をかげながら外針を前後させて組織標本を採取する. TBNAは合併症が少なく安全性の高い検査であるが, いままでの経気管支検査針は細胞診しか得ることができなかった. 組織検査針を用いたTBNAによりこれまで胸腔鏡や開胸肺生検を行わなければならなかった症例の診断も可能になることが期待される. 我々の施設ではいままでに3例についてTBNAを行ったがそのうち十分な組織標本を得られたのは1例であり, 熟練を要する手技である. 今後はさらに症例を重ねてその有用性について検討をすすめる予定である. |
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ISSN: | 1343-2826 |