1. Tubular Carcinomaの2例
Tubular Carcinomaは, 高分化な細胞が管腔を形成する予後の良い乳癌として知られている. 今回我々はTubular Carcinoma2例を経験し, 若干の文献的考察を加え報告する. [症例1]44歳女性. 他院の人間ドッグにて左乳房腫瘤を指摘され, 穿刺細胞診にてclass III. 超音波検査にて乳癌を疑われ, 当科を受診する. 左乳房A領域に1.7×1.4cm, 弾性硬, 表面平滑な腫瘤を認め, 線維腺腫を疑った. MMGでhigh densityな腫瘤陰影を認めるが, 石灰化, spiculaはない. 超音波検査では横長, 低エコーの腫瘤で, 一部に不整な部分を認める....
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Veröffentlicht in: | THE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL 1998, Vol.48 (3), p.241-241 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | Tubular Carcinomaは, 高分化な細胞が管腔を形成する予後の良い乳癌として知られている. 今回我々はTubular Carcinoma2例を経験し, 若干の文献的考察を加え報告する. [症例1]44歳女性. 他院の人間ドッグにて左乳房腫瘤を指摘され, 穿刺細胞診にてclass III. 超音波検査にて乳癌を疑われ, 当科を受診する. 左乳房A領域に1.7×1.4cm, 弾性硬, 表面平滑な腫瘤を認め, 線維腺腫を疑った. MMGでhigh densityな腫瘤陰影を認めるが, 石灰化, spiculaはない. 超音波検査では横長, 低エコーの腫瘤で, 一部に不整な部分を認める. 診断確定のため生検を施行. 暗赤色の腫瘍は, 線維性結合織に包まれており, Tubular carcinomaであった. このためBp+Ax(Level II)を施行, tl, n0, m0:stage Iであった. 腫瘍細胞は明瞭は管状腺管を形成し, 不規則ながら一層で, 異型も少ない. また, 繊維性間質も多く, リンパ球浸潤を伴っていた. [症例2]47歳女性. 近医での子宮癌検診時, 左乳房腫瘤を指摘され, 当院紹介となる. 左乳房C領域に2.3×2.3cm, 弾性硬, 表面下整な腫瘤を触知し, 左乳房D領域に0.8×0.8cm, 弾性硬, 表面平滑, 可動性良好な腫瘤を触知した. MMGでは, C領域にspiculaを伴う腫瘤像があり, D領域にも腫瘤像を認めた. 超音波検査ではC領域の腫瘤は不整なhypoechoic massのみ描出された. 以上より, 左多発乳癌の疑いにて, Bt+Ax(Level III)を施行した. 組織診断はC領域:Scirrhous carcinoma, nlα, D領域:Tubular carcinoma, n0であった. [考察]Tubular carcinomaは, 比較的稀であり, 全乳癌の1%程度である. 間質の腺腫との鑑別が難しい. 一側多発乳癌にTubular carcinomaを含む頻度は比較的高く, 25.9%との報告がある. また, 合併乳癌にはLobular carcinomaが多いが, 症例2はScirrhous carcinomaであった. 予後は転移を来すことが少なく良好である. |
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ISSN: | 1343-2826 |