マラリアの制圧をめざす

「はじめに」過去20年間に新たなヒトの病原体として少なくとも30種類が世界中で報告され, 世界保健機関(WHO)はそれらに対する世界規模での対策戦略の必要性を強調している1). こうした感染症を"Emerginging infectious diseases(新興感染症)"と称し, エボラ出血熱(1976), エイズ(1981), 狂牛病(1986), C型肝炎(1989)などは既によく知られている(カッコ内は報告年). また一方, 古くから存在している疾病でありながら様々な原因で人類がいまだに克服できず, さらにはその流行が世界的に復活しつつある感染症を"Re-...

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Veröffentlicht in:THE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL 1997/09/01, Vol.47(5), pp.365-367
1. Verfasser: 狩野, 繁之
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」過去20年間に新たなヒトの病原体として少なくとも30種類が世界中で報告され, 世界保健機関(WHO)はそれらに対する世界規模での対策戦略の必要性を強調している1). こうした感染症を"Emerginging infectious diseases(新興感染症)"と称し, エボラ出血熱(1976), エイズ(1981), 狂牛病(1986), C型肝炎(1989)などは既によく知られている(カッコ内は報告年). また一方, 古くから存在している疾病でありながら様々な原因で人類がいまだに克服できず, さらにはその流行が世界的に復活しつつある感染症を"Re-emerging infectious diseases(再興感染症)"と呼び, コレラ, 結核, デング熱, ジフテリアなどが挙げられる2). マラリアも後者の例として改めて重要性が認識されており, その脅威は今や日本国内へも及んでいる. この様な状況において, 今年6月の先進国首脳会議で橋本首相を代表とする日本サイドより, マラリア制圧のための研究推進の必要性が提起された.
ISSN:1343-2826
1881-1191
DOI:10.2974/kmj.47.365