急性腹症を呈した副腎出血の1例
急性腹症を呈した副腎出血の1例を経験した.患者は46歳, 男性.急激に発症した左腰背部の激痛のため当院に紹介入院となった.腹部CTでは, 後腹膜左側の左腎上方から腎周囲に広範な血腫がみられ, 原因不明の後腹膜出血の診断にて緊急手術を施行した.開腹すると, 後腹膜の左側を中心に広汎に血腫が存在した.左腎上極から内側にかけての凝血を除去していると, 左副腎下部と思われる部から動脈血と思われる鮮紅色の血液が噴出していた.副腎を摘出すると, 噴出する出血は止まった.組織学的には出血をともなう副腎組織であり, 褐色細胞腫などの腫瘍の存在はなかった.術後コントロールに難渋する高血圧が持続し, 血圧のコント...
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Veröffentlicht in: | THE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL 1997/09/01, Vol.47(5), pp.357-359 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 急性腹症を呈した副腎出血の1例を経験した.患者は46歳, 男性.急激に発症した左腰背部の激痛のため当院に紹介入院となった.腹部CTでは, 後腹膜左側の左腎上方から腎周囲に広範な血腫がみられ, 原因不明の後腹膜出血の診断にて緊急手術を施行した.開腹すると, 後腹膜の左側を中心に広汎に血腫が存在した.左腎上極から内側にかけての凝血を除去していると, 左副腎下部と思われる部から動脈血と思われる鮮紅色の血液が噴出していた.副腎を摘出すると, 噴出する出血は止まった.組織学的には出血をともなう副腎組織であり, 褐色細胞腫などの腫瘍の存在はなかった.術後コントロールに難渋する高血圧が持続し, 血圧のコントロールのため他院へ転院となった.副腎出血の場合保存的な治療を基本にしつつ, それでコントロールができない症例に関しては, 時期を逸することなく緊急手術を施行することが重要である. |
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ISSN: | 1343-2826 1881-1191 |
DOI: | 10.2974/kmj.47.357 |