10. 脳腫瘍術後及び脳血管撮影後に肺塞栓を生じた3例

脳神経外科領域において, 緊急治療を要するものとして原疾患の他に, 術後の臥床及び脳血管撮影が原因と思われる肺塞栓症があり, その原因と治療法について検討した. 【症例1】37歳男性. gliomaの摘出術後10日目に突然の呼吸障害を認めた. 肺血流シンチで左下葉に集積の欠損を認め, 肺動脈撮影でも左下葉の肺動脈の描出不良あり, 肺塞栓の診断で, tissue plasminogen activator(tPA)による血栓溶解治療を開始. 症状改善し独歩退院した. 【症例2】転移性(肺癌)脳腫瘍の69歳女性. 脳血管撮影翌日, 胸痛が出現. 肺血流シンチで右上下肺野に欠損あり, 肺塞栓の診断で...

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Veröffentlicht in:THE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL 1997, Vol.47 (1), p.45-45
Hauptverfasser: 今井英明, 根岸正敏, 柴崎尚, 田村勝, 大江千廣
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:脳神経外科領域において, 緊急治療を要するものとして原疾患の他に, 術後の臥床及び脳血管撮影が原因と思われる肺塞栓症があり, その原因と治療法について検討した. 【症例1】37歳男性. gliomaの摘出術後10日目に突然の呼吸障害を認めた. 肺血流シンチで左下葉に集積の欠損を認め, 肺動脈撮影でも左下葉の肺動脈の描出不良あり, 肺塞栓の診断で, tissue plasminogen activator(tPA)による血栓溶解治療を開始. 症状改善し独歩退院した. 【症例2】転移性(肺癌)脳腫瘍の69歳女性. 脳血管撮影翌日, 胸痛が出現. 肺血流シンチで右上下肺野に欠損あり, 肺塞栓の診断でUX, ヘパリンの投与を開始. 症状は改善するも, 原発巣の悪化による呼吸困難のため死亡. 【症例3】65歳男性. 髄膜腫の全摘出後, 脳血管撮影翌日, 安静解除後突然の呼吸障害が出現. 肺血流シンチで両下肺野に集積の欠損を認め, 肺塞栓の診断で, tPAによる治療を開始した. 症状, 画像上も著明な改善を示した.
ISSN:1343-2826