7. 両側海綿静脈洞部内頸動脈瘤-側内頸動脈閉塞後の経過
症例は45歳の女性. 主訴は複視, 家族歴, 既往歴に特記事項なし. 現病歴;1993年2月頃より, 右方視にて複視が出現するようになった. 近医の眼科を受診したが, 経過観察とされた. その後症状が進行したため再度受診したところ, MRI, MRAにて両側の内頸動脈海綿静脈洞部の動脈瘤を認め, 1994年8月19日に精査加療を目的に当科へ入院となった. 入院時, 神経学的には右眼球突出, 右三叉神経第2, 3枝領域の知覚低下, 右外転神経麻痺を認めた. Bruitは明らかでなかった. MRIでは両側海綿静脈洞部に, 部分的に血栓を有する動脈瘤を認めた. 血管撮影では右は最大径約4cm, 左は...
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Veröffentlicht in: | THE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL 1997, Vol.47 (1), p.39-39 |
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Hauptverfasser: | , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 症例は45歳の女性. 主訴は複視, 家族歴, 既往歴に特記事項なし. 現病歴;1993年2月頃より, 右方視にて複視が出現するようになった. 近医の眼科を受診したが, 経過観察とされた. その後症状が進行したため再度受診したところ, MRI, MRAにて両側の内頸動脈海綿静脈洞部の動脈瘤を認め, 1994年8月19日に精査加療を目的に当科へ入院となった. 入院時, 神経学的には右眼球突出, 右三叉神経第2, 3枝領域の知覚低下, 右外転神経麻痺を認めた. Bruitは明らかでなかった. MRIでは両側海綿静脈洞部に, 部分的に血栓を有する動脈瘤を認めた. 血管撮影では右は最大径約4cm, 左は約2cmの動脈瘤を認めた. cross circulationは良好であった. バルーンによる閉塞試験にて神経症状, 脳波異常の出現がないことを確認し, 結局症状の強い右側の内頸動脈をバルーンにて閉塞した. 治療後, 右顔面の知覚障害, 外転神経麻痺は徐々に改善し, 虚血症状はみられていない. 4ヶ月後の血管撮影では, 右半球は左IC, BA-Pcomからのcross flow及び左外頸動脈からethmoidal artery→ophthalmic artery経由で環流されている. 左海綿静脈洞部の動脈瘤のsizeには変化はみられなかったが, 今後, 左内頸動脈領域への負担が続けば, 動脈瘤の増大の可能性もあり, その場合にはhigh flow-bypass及び対側内頸動脈閉塞も検討しなければならないであろう. |
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ISSN: | 1343-2826 |