男鹿水族館GAOにおける動物医療の課題と解決に向けての挑戦

国内の動物園や水族館は動物医療に関して，人的資本の不足，技術の研鑽機会や教育機会の不足，設備や予算の制限，協力機関の不足など様々な課題を抱えている。男鹿水族館GAOにおいては人的資源の不足が最大の課題であり，大型動物の麻酔など人手のかかる処置の実施に苦労してきた。そのなかで，これまでは外部の獣医師と協働することで人的資源の不足という課題を克服し，カリフォルニアアシカ（Zalophus californianus）の歯科処置，ホッキョクグマ（Ursus maritimus）の麻酔下検査の計画および剖検，ゴマフアザラシ（Phoca largha）のComputed tomography（CT）検査などを実施してきた。しかし依然として未解決の課題があり，個人としても組織としても課題解決のためのさらなる取り組みが必要である。