フィールドにおける野生動物捕獲の心構えと実際

生態系を構成する野生動物に対しての畏敬の念を持つことがフィールドでの野生動物捕獲の心構えの基本である。野生動物の捕獲はそれによってもたらされるマイナス影響につりあうだけの結果が得られる場合にのみ認められるものであり,明確な目的のないまま行われてはならない。先人達の経験を生かし,対象動物の生理・生態のみならず地域生態系の特性をも踏まえ,研究計画を立てなくてはならない。方法を選択する場合には,個体の安全,作業員の安全,周辺環境への最低限の影響を念頭におき,目的を達成するために最小の危険性で最大の効果が得られるよう手段と時期と場所を選ぶことが重要である。捕獲作業における責任の所在と役割分担を明確にし...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:日本野生動物医学会誌 2002, Vol.7(1), pp.31-37
1. Verfasser: 岸本, 真弓
Format: Artikel
Sprache:jpn
Schlagworte:
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:生態系を構成する野生動物に対しての畏敬の念を持つことがフィールドでの野生動物捕獲の心構えの基本である。野生動物の捕獲はそれによってもたらされるマイナス影響につりあうだけの結果が得られる場合にのみ認められるものであり,明確な目的のないまま行われてはならない。先人達の経験を生かし,対象動物の生理・生態のみならず地域生態系の特性をも踏まえ,研究計画を立てなくてはならない。方法を選択する場合には,個体の安全,作業員の安全,周辺環境への最低限の影響を念頭におき,目的を達成するために最小の危険性で最大の効果が得られるよう手段と時期と場所を選ぶことが重要である。捕獲作業における責任の所在と役割分担を明確にし,作業工程のシミュレーションをし,最低限必要な道具や薬品,人手の準備だけでなく予測されるトラブルに対応できる準備をして捕獲に臨むべきである。
ISSN:1342-6133
2185-744X
DOI:10.5686/jjzwm.7.31