絶滅危惧種「朱鷺」の将来
1999年5月, 日本全国を感動のニュースが走った. それは新潟県佐渡島にある環境庁佐渡トキ保護センターで, わが国初の「トキ2世」(優優)が誕生したという報道であった. 最近の出来事で, このニュースほど日本人に衝撃を与えたものはない. それは, 何故だろうか. すさんでしまった人間の心に, 絶滅しかかった生命の復元の可能性を示唆したからであろう. この「佐渡トキ保護センター」に感動をもたらしたくれたのが, ここに紹介する「席咏梅女史」である. 彼女は, 中国陳西省朱鷺救護飼育繁殖中心の研究主任である. 彼女は, 西北大学動物学科を卒業後, 滅びゆく中国の「トキ」の救護, 飼育および繁殖に関...
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Veröffentlicht in: | 日本野生動物医学会誌 2000, Vol.5(1), pp.115-122 |
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Hauptverfasser: | , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 1999年5月, 日本全国を感動のニュースが走った. それは新潟県佐渡島にある環境庁佐渡トキ保護センターで, わが国初の「トキ2世」(優優)が誕生したという報道であった. 最近の出来事で, このニュースほど日本人に衝撃を与えたものはない. それは, 何故だろうか. すさんでしまった人間の心に, 絶滅しかかった生命の復元の可能性を示唆したからであろう. この「佐渡トキ保護センター」に感動をもたらしたくれたのが, ここに紹介する「席咏梅女史」である. 彼女は, 中国陳西省朱鷺救護飼育繁殖中心の研究主任である. 彼女は, 西北大学動物学科を卒業後, 滅びゆく中国の「トキ」の救護, 飼育および繁殖に関わる仕事を選んで, 中国大陸の山奥の田舎に生きることを決意した. 以来, 11年間, 絶滅の危機に瀕している「トキ」の救護や飼育あるいは増殖に彼女の青春を投じた. その彼女が, 1999年1月末に, 中国からわが国に寄贈された2羽の「トキ」(友友と洋洋)と共に, 来日し, 佐渡トキセンターでの繁殖の技術指導に従事し, 今回の「2世」(優優)誕生に大きく貢献した. 彼女のこの功績に対して, 真鍋賢二環境庁長官は「特別感謝状」を贈った. また, 同時に平山征夫新潟県知事も「感謝状」を贈呈した. そして, 7月末の離日を前に新潟市(7月20日)で開催された「トキ2世誕生記念シンポジウムトキと人の未来を語ろう!」で, 彼女は特別招待講演を行った. ここに紹介するのは, その講演の一部である. |
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ISSN: | 1342-6133 2185-744X |
DOI: | 10.5686/jjzwm.5.115 |