X線照射ならびに食塩投与ラットに生じた動脈炎の経時的変化
「序文」治療用のX線照射を行うことにより動脈硬化症や動脈炎が生じることが古くから知られている1. また, 実験的にも種々の動物を用い, 照射後に動脈病変が生じることが報告されてきた2. 我々は最近, 胃部にX線照射を行い食塩食を投与すると腸間膜動脈に結節性動脈周囲炎によく似た病変が生じることを報告した3. 今回はX線照射後食塩投与により生じる胃粘膜付近の中動脈(arteria gastrica sinistra)ならびに小動脈の病変の経時的変化につき述べる. 材料ならびに方法 5週齢のCrj:CD(SD)雄ラットの胃部に10Gyのx線を3日間隔で2回合計20Gy照射し3, その後10%の食塩を...
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Veröffentlicht in: | Journal of Toxicologic Pathology 1988, Vol.1 (1), p.81-85 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「序文」治療用のX線照射を行うことにより動脈硬化症や動脈炎が生じることが古くから知られている1. また, 実験的にも種々の動物を用い, 照射後に動脈病変が生じることが報告されてきた2. 我々は最近, 胃部にX線照射を行い食塩食を投与すると腸間膜動脈に結節性動脈周囲炎によく似た病変が生じることを報告した3. 今回はX線照射後食塩投与により生じる胃粘膜付近の中動脈(arteria gastrica sinistra)ならびに小動脈の病変の経時的変化につき述べる. 材料ならびに方法 5週齢のCrj:CD(SD)雄ラットの胃部に10Gyのx線を3日間隔で2回合計20Gy照射し3, その後10%の食塩を添加したオリエンタルMF餌を投与し, 2, 9, 16, 23, 30週目にそれぞれ3-4匹を血圧を測定後屠殺した. 対照にはX線照射後MF餌を投与し同様に屠殺した. 胃は大弯より開き10%の中性フォルマリン液で固定した後薄切片を作り, ヘマトキシリンエオシン染色, アルシアンブルーパス染色を行った. 胃部の小, 中動脈の壁の厚さや直径はオリンパス画像解析装置CIA-102型を用いて測定した. 成績 照射後X線と食塩投与群ではX線単独群に比べて体重は増加抑制を示した. X線単独群では血圧は観察期間を通じ100-131mmHgであった. X線と食塩投与群では血圧は2週目では134mmHg, 23週目では148mmHgと上昇し, 30週目では300mmHg以上となり測定不可能であった(表1). |
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ISSN: | 0914-9198 |