新人看護師の看護実践におけるナラティブからとらえた成長の内容

「要旨」 本研究は新人看護師のナラティブにみられる成長を明らかにすることを目的とした. ナラティブ・アプローチを援用した質的記述的事例研究デザインで, 入職後2年目の看護師5名のナラティブから成長を分析し, そのテーマを抽出した. その結果, 以下のテーマで成長が捉えられた. 1) N1の事例では【知識・技術を覚え仲間入りする】, 【患者の話を聞くのは大事なこと】, 【深夜勤務での緊急手術に対応する】と【もっと予測できるようになりたい】というテーマ 2) N2の事例では【先輩に認められて自信がつく】, 【一年生を育てる視点を持つ】, 【小さなことでも命に関わる重大な事態につながる】, 【自分で...

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Veröffentlicht in:富山大学看護学会誌 2013-12, Vol.13 (2), p.125-141
Hauptverfasser: 田中いずみ, 比嘉勇人, 山田恵子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「要旨」 本研究は新人看護師のナラティブにみられる成長を明らかにすることを目的とした. ナラティブ・アプローチを援用した質的記述的事例研究デザインで, 入職後2年目の看護師5名のナラティブから成長を分析し, そのテーマを抽出した. その結果, 以下のテーマで成長が捉えられた. 1) N1の事例では【知識・技術を覚え仲間入りする】, 【患者の話を聞くのは大事なこと】, 【深夜勤務での緊急手術に対応する】と【もっと予測できるようになりたい】というテーマ 2) N2の事例では【先輩に認められて自信がつく】, 【一年生を育てる視点を持つ】, 【小さなことでも命に関わる重大な事態につながる】, 【自分で判断して患者・家族に関わる】及び【自律した看護師に近づきたい】というテーマ 3) N3の事例では【患者の気持ちを汲んでケアをすることは難しい】, 【ケアをちゃんとやっていれば反応が得られる】, 【家族のサポートをすれば患者に返せる】, 【自分で動けることが増えていく】及び【大変な時こそ学ぶことが多い】というテーマ 4) N4の事例では【今の自分は富士山の五合目】, 【看護とは患者との関係が続いていくこと】と【その人に入って知らないとだめだ】というテーマ 5) N5の事例では【病棟ではちゃんとやっている】, 【看護って何かもっとなんなのか】, 【もっと注意をしていれば防げたかもしれない】, 【臨死期の吸痰は細心の注意で行う】及び【「こうきたら, こう」できる知識と経験がほしい】というテーマ 新人看護師のナラティブからとらえられた成長のひとつひとつは, 個々人の背景や環境と絡んで, 価値基準や看護観の形成に至る途上を示していると考える.
ISSN:1882-191X