糖尿病患者の食事療法実施状況とQOLの関連性の検討
本研究の目的は,食事療法の実施状況とQOL(Qualityof Life)の関連性を明らかにし,栄養指導のあり方を検討することである.糖尿病専門クリニックに通院中の患者217名を対象に,食事療法実施状況,糖尿病食事関連QOL尺度改訂版短縮版,健康関連QOL(SF-8)の無記名自記式調査を実施し,その関連性を分析した.その結果,食事摂取量の制限の程度や食べ方を工夫する食事療法の実施頻度が高いほどQOLが良好であった.「主食」の制限,「野菜から食べる」「主食と主菜・副菜を組み合わせて食べる」食事療法が糖尿病食事関連QOLの受益感に影響し,「野菜から食べる」がSF-8の全体的健康感,「夕食時間を早く...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | 心身健康科学 2023, Vol.19(1), pp.12-24 |
---|---|
Hauptverfasser: | , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 本研究の目的は,食事療法の実施状況とQOL(Qualityof Life)の関連性を明らかにし,栄養指導のあり方を検討することである.糖尿病専門クリニックに通院中の患者217名を対象に,食事療法実施状況,糖尿病食事関連QOL尺度改訂版短縮版,健康関連QOL(SF-8)の無記名自記式調査を実施し,その関連性を分析した.その結果,食事摂取量の制限の程度や食べ方を工夫する食事療法の実施頻度が高いほどQOLが良好であった.「主食」の制限,「野菜から食べる」「主食と主菜・副菜を組み合わせて食べる」食事療法が糖尿病食事関連QOLの受益感に影響し,「野菜から食べる」がSF-8の全体的健康感,「夕食時間を早くする」がSF-8の心の健康と精神的サマリースコアに強く影響していた.したがって,「野菜から食べる」「夕食時間を早くする」食事療法を継続的に実施することは心身の安定をもたらし,血糖値改善だけでなく,心身健康科学の視点からも有効な指導になりうる可能性が示唆された. |
---|---|
ISSN: | 1882-6881 1882-689X |
DOI: | 10.11427/jhas.19.12 |