特別養護老人ホーム入居者の栄養状態の実態調査と栄養改善の取り組みについて
【目的】日本は超高齢化と共に認知症の悪化, 重介護度化となっている. その為食事摂取が困難となり摂食嚥下障害などが原因で低栄養を起こしやすい. 平成17年から栄養ケアマネジメントが開始され栄養ケアを実施している. そこで, 栄養ケアを実施した入居者の栄養状態やADLの変化を分析し, 心身健康科学の視点から考察する. 【方法】体重が毎月測定できた人を対象とした. 方法は2つあり, 1つは栄養ケア未実施期間6ヶ月間と栄養ケア実施後6ヶ月間での比較, 2つ目は栄養ケア実施後の1ヶ月目と6ヶ月目で比較を行った. 栄養ケア未実施期間は56名(男性11名, 女性45名), 栄養ケア実施期間は79名(男性1...
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Format: | Tagungsbericht |
Sprache: | jpn |
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Zusammenfassung: | 【目的】日本は超高齢化と共に認知症の悪化, 重介護度化となっている. その為食事摂取が困難となり摂食嚥下障害などが原因で低栄養を起こしやすい. 平成17年から栄養ケアマネジメントが開始され栄養ケアを実施している. そこで, 栄養ケアを実施した入居者の栄養状態やADLの変化を分析し, 心身健康科学の視点から考察する. 【方法】体重が毎月測定できた人を対象とした. 方法は2つあり, 1つは栄養ケア未実施期間6ヶ月間と栄養ケア実施後6ヶ月間での比較, 2つ目は栄養ケア実施後の1ヶ月目と6ヶ月目で比較を行った. 栄養ケア未実施期間は56名(男性11名, 女性45名), 栄養ケア実施期間は79名(男性19名, 女性60名)であった. 厚生労働省から示されているスクリーニングシートに準じて調査を行った. 【結果】(1)介護度の変化→栄養ケア実施後は要介護度3と5が増加, 1, 2, 4は減少した. (2)体重増加者は介護度2を除いた全ての介護度で増えた. (3)介護度4と5は中, 高リスク者が多く存在し栄養ケア実施後も改善が困難だった. (4)BMIは改善傾向がみられた. 【考察】栄養ケアは, カロリーだけを考えるのではなく, 食べたいと感じてもらう「食欲」を支える援助を心身両面から工夫する必要がある. 栄養リスクの見直しでは, 経管栄養者の栄養剤は現在改善されALBが35を維持することもあるので, 経管栄養のみで高リスクに該当することは見直しが必要であると考えられる. 【結論】(1)軽介護度者では, 現在の栄養ケアがBMIと体重増加には改善や維持が可能な傾向を示した. (2)重介護度者では, 現在の栄養ケアでは改善が困難な傾向を示したが, 後期高齢者でも, 少数だが適正な体重やBMIが維持できる. (3)項目の数値化を行う事で, 予測が可能となり予防的な援助がおこなえる. (4)栄養ケアを効果あるものにするためには, 心身両面から「食欲」を支える援助が求められる. |
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ISSN: | 1882-6881 |