周期的な音刺激が運動学習と自己効力感に与える影響
「I. はじめに」21世紀は「脳の世界」といわれている. 近年では, fMRI(functional MRI)などの非侵襲的脳機能計測機器を用いた研究が多く報告され, 脳の機能変化を神経生理学などの神経科学的側面から捉えることが可能になっている1). これらの研究成果はリハビリテーション治療の一つである理学療法に応用され, 運動学習における治療の有用性に関する報告を散見することができる2,3). 運動学習(motor learning)とは, 比較的永続的変化を導く練習や経験に関係した一連の過程である4). また, 運動学習においては, 課題に対しての成功裏に遂行できるかという個人の予測および...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | 心身健康科学 2008/09/10, Vol.4(2), pp.103-110 |
---|---|
1. Verfasser: | |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 「I. はじめに」21世紀は「脳の世界」といわれている. 近年では, fMRI(functional MRI)などの非侵襲的脳機能計測機器を用いた研究が多く報告され, 脳の機能変化を神経生理学などの神経科学的側面から捉えることが可能になっている1). これらの研究成果はリハビリテーション治療の一つである理学療法に応用され, 運動学習における治療の有用性に関する報告を散見することができる2,3). 運動学習(motor learning)とは, 比較的永続的変化を導く練習や経験に関係した一連の過程である4). また, 運動学習においては, 課題に対しての成功裏に遂行できるかという個人の予測および確信の程度などが関係し, 心理的な要因も学習効果に影響を与えている. この心理的な要因の一つとしてBanduraが提唱するSelf-Efficacy(自己効力感)がある. 自己効力感とは, ある現状において必要な行動を自分がどの程度効果的に遂行できるかという自信であり5), 学習と自己効力感は正の相関性を示すと報告されている6). 理学療法の臨床において, 患者に同じ関節運動の学習を試行しているにも関わらず, 治療効果に差を生じることがある. 特に, 脳血管障害患者におけるその差は著明である. 脳血管障害患者は高次脳機能障害を合併していることが多く, 運動機能のみの障害を呈している場合は稀である. |
---|---|
ISSN: | 1882-6881 1882-689X |
DOI: | 10.11427/jhas.4.103 |