身体的アプローチ 体性痛と内臓痛

「痛みは警告信号」であると多くの研究者や臨床家は言います. 確かに痛みは警告反応として私達の生命の危機を救ってくれることが多いと思います. ですが, なぜ, ガンの場合は死を目前にしたとき追い打ちをかけるように痛みを引き起こすのでしょうか. 警告信号だとしたら, ガン細胞が組織について増殖し始めたときに警告信号として知らせてくれないのか, と疑問を持ちつつ, 今日のシンポジウムのテーマに入っていきたいと思います. 1. 痛みの分類1)(スライド1) 急性の痛みは, 生体に及ぼす危機を警告する生理的な側面を持つ一方で, 慢性痛は, 発生機序から考えて訴えのある「痛み」自体が問題で病態であると思わ...

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Veröffentlicht in:心身健康科学 2008/02/10, Vol.4(1), pp.10-17
1. Verfasser: 久住, 武
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「痛みは警告信号」であると多くの研究者や臨床家は言います. 確かに痛みは警告反応として私達の生命の危機を救ってくれることが多いと思います. ですが, なぜ, ガンの場合は死を目前にしたとき追い打ちをかけるように痛みを引き起こすのでしょうか. 警告信号だとしたら, ガン細胞が組織について増殖し始めたときに警告信号として知らせてくれないのか, と疑問を持ちつつ, 今日のシンポジウムのテーマに入っていきたいと思います. 1. 痛みの分類1)(スライド1) 急性の痛みは, 生体に及ぼす危機を警告する生理的な側面を持つ一方で, 慢性痛は, 発生機序から考えて訴えのある「痛み」自体が問題で病態であると思われます. だからこそ痛みは, 慢性痛としての病態になる前に対処して, 警告信号の役割を果たした後の痛みはブロックして持続させないことが重要だと思っています. 痛みは, その見方によって2通りあります. 1つの見方はその原因によって(1)侵害受容性疼痛, (2)神経因性疼痛, (3)心因性疼痛とに分類されます.
ISSN:1882-6881
1882-689X
DOI:10.11427/jhas.4.10