57. 更年期障害症候群患者の神経精神症状について
「目的」近年, 更年期障害は婦人科外来で扱う疾患のうち, 最も頻度の高い疾患の1つである. 不定愁訴としては更年期障害が扱いにくいことが有名である. 今回, われわれは頭痛, 不眠, うつ気分などの神経精神症状を調査したので報告する. 「方法」2010年9月から2011年8月まで1年間, 産業医科大学病院を受診した更年期障害患者15名を対象群として検討した. 正常閉経婦人11名を対照群として調査した. 「結果」更年期障害症候群患者の年齢は53.2±2.1歳(M±SD)で, 職業についての内訳では, 教員7名(46.6%), 医療関係者4名(26.7%), 会社員4名(26.7%)であった. 対...
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Veröffentlicht in: | JOURNAL OF UOEH 2012-03, Vol.34 (1), p.145-145 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「目的」近年, 更年期障害は婦人科外来で扱う疾患のうち, 最も頻度の高い疾患の1つである. 不定愁訴としては更年期障害が扱いにくいことが有名である. 今回, われわれは頭痛, 不眠, うつ気分などの神経精神症状を調査したので報告する. 「方法」2010年9月から2011年8月まで1年間, 産業医科大学病院を受診した更年期障害患者15名を対象群として検討した. 正常閉経婦人11名を対照群として調査した. 「結果」更年期障害症候群患者の年齢は53.2±2.1歳(M±SD)で, 職業についての内訳では, 教員7名(46.6%), 医療関係者4名(26.7%), 会社員4名(26.7%)であった. 対照群の年齢は53.9±5.9歳で, 全員専業主婦である. 患者の神経精神症状には, いらいら感のある患者は15名中13名(86.7%)で不安が12名‘80.0%)p=0.031, 頭痛及びうつ感が8名(53.3%)であった. いらいら感のある正常閉経婦人は11名中8名(72.7%)で高頻度であってうつ感が6名(54.5%)で, 不安が4名(36.3%)で, 頭痛が3名(27.2%)であった. 患者の血管運動神経症状についてみると倦怠感のある患者は15名中14名と高頻度(93.3%)であることが示唆された. 顔面紅潮, 発汗しやすい及び肩こりが12名(80.0%)で, 冷え性が11名(73.3%)であった. 患者の不安の原因について検討すると老後の不安が最も多くて, 12名中12名(100%)で, その次は健康の不安が10名(83.3%)で, 子供の進学, 結婚への不安が7名(58.3%), 近隣および親戚との付き合いへの不安が6名(50.0%)であった. 「考察」更年期障害患者群の神経精神症状はいらいら感の頻度(88.7%)が不安(80.0%), うつ感(53.3%)より高いことが示唆された. 更年期障害患者の不安状態の原因は老後に対する不安(100%)であることを示唆された. 更年期障害患者の心理状態に注意を払うべきで, うつ症にならないように努力する. |
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ISSN: | 0387-821X |