19. 某大学における階段利用促進のための試み:エレベーターと階段の利用状況と所要時間の比較
【目的】 生活習慣病予防のために「身体活動(運動+生活活動)」の総量を増やすことが推奨されている. 複層階の建築物内で働く労働者が身体活動量を増やすためには階段を積極的に利用することが考えられる. 階段利用促進のためには, 何階までであれば階段を利用した移動の方が待ち時間を含めたエレベーター(EV)利用時よりも速いのかを示すことが有効であると考え, 両者の所要時間の比較をおこなった. 【方法】 S大学の講義棟(4階建て, EV1基)と研究棟(8階建て, EV2基, 2ヶ所)で平日の登校, 出勤時間帯(8:20~8:50)に, 待ち時間を含むEVの各階への所要時間と, 階段を使用した場合の所要時...
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Veröffentlicht in: | JOURNAL OF UOEH 2011-03, Vol.33 (1), p.102-102 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【目的】 生活習慣病予防のために「身体活動(運動+生活活動)」の総量を増やすことが推奨されている. 複層階の建築物内で働く労働者が身体活動量を増やすためには階段を積極的に利用することが考えられる. 階段利用促進のためには, 何階までであれば階段を利用した移動の方が待ち時間を含めたエレベーター(EV)利用時よりも速いのかを示すことが有効であると考え, 両者の所要時間の比較をおこなった. 【方法】 S大学の講義棟(4階建て, EV1基)と研究棟(8階建て, EV2基, 2ヶ所)で平日の登校, 出勤時間帯(8:20~8:50)に, 待ち時間を含むEVの各階への所要時間と, 階段を使用した場合の所要時間を比較した. 【結果】 講義棟3階までのEVによる所要時間は平均53秒, 階段では平均28秒であった. 4階までの移動はEVで平均76秒, 階段で41秒と, いずれも階段を利用したほうが速かった. 研究棟では3階まではEVが34秒, 階段が32秒とわずかに階段のほうが速く, 4階ではそれぞれ37秒, 46秒で逆転しそれ以上の階への移動はEVのほうが速かった. 8階まで移動した場合, EVが59秒, 階段が105秒であり, その差は1分以内であった. 【考察】 3~4階までの移動であれば, 階段の方が速い, もしくは同程度であること, それ以上の階でも両者の差は小さいことを示すことで, 階段利用が促進されると考える. 実際, S大学ではこの結果が安全衛生委員会で供覧され, 階段の各踊り場に階段の利用を促すポスターが掲示され, 職員の生活活動の増大に役立てられると考えられた. |
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ISSN: | 0387-821X |