28. 小学校・中学校・高等学校における産業医の選任率と産業保健活動

【目的】学校医が産業医の職務を行う場合は労働基準監督署長への選任届の提出義務がなく, 実態は知られていない. そこで, 学校における産業医の選任率と実際の活動を調べることを目的とした. 【方法】平成20年9月に(財)地方公務員安全衛生推進協会が実施した「職場巡視チェックリスト作成研究会」の調査で産業医の選任と職場巡視や衛生委員会への参加等を尋ねた. 全都道府県と市区の全教育委員会及び町村の1/3の教育委員会の合計1,188ヵ所に依頼し, 回答した581ヵ所を対象に, 職員数50人以上の小中学校全校, 高校5校, 特別支援校1校, 職員数50人未満の小中学校1校と高校2校に質問票の転送を依頼した...

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Veröffentlicht in:JOURNAL OF UOEH 2010-03, Vol.32 (1), p.114-114
Hauptverfasser: 堀江正知, 川波祥子, 宮村欣裕
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:【目的】学校医が産業医の職務を行う場合は労働基準監督署長への選任届の提出義務がなく, 実態は知られていない. そこで, 学校における産業医の選任率と実際の活動を調べることを目的とした. 【方法】平成20年9月に(財)地方公務員安全衛生推進協会が実施した「職場巡視チェックリスト作成研究会」の調査で産業医の選任と職場巡視や衛生委員会への参加等を尋ねた. 全都道府県と市区の全教育委員会及び町村の1/3の教育委員会の合計1,188ヵ所に依頼し, 回答した581ヵ所を対象に, 職員数50人以上の小中学校全校, 高校5校, 特別支援校1校, 職員数50人未満の小中学校1校と高校2校に質問票の転送を依頼した. 【結果】小学校448, 中学校273, 高校342, 特別支援校53の合計1,116(職員数50人以上は493)の公立校から回答を得た. 職員数50人以上の学校では, 産業医選任率は85.7%, 学校医との兼務は63.1%, 内科医が80.1%で, 産業医の資格を確認していたのは32.2%であった. 教育委員会の産業医が兼務の学校が11.0%であった. 産業医の職務実施率は, 「健康教育や健康相談」が77.7%, 「健康診断の実施や事後措置」が62.5%と高く, 「職場巡視による作業方法の改善」が6.9%, 「労働衛生教育や衛生講話」が4.1%, 「休職者の復職判定」が2.7%と低かった. 職場巡視を毎月実施した者は1.0%であった. 学校としての職場巡視の実施は50.1%であったが, その主目的は「児童・生徒の安全確保」が66.8%であった. 衛生委員会を設置している学校は84.4%であったが, 産業医が年に6回以上出席したところは8.2%であった. 【考察・結論】本調査は, 私立の学校を調査していないが, 学校の産業医活動には次の課題がある. 1)産業医資格を確認する仕組みの構築, 2)学校と教育委員会との役割分担の明確化と連携, 3)毎月の衛生委員会や職場巡視の実施, 4)産業医業務のうち職場巡視と復職判定の優先的な実施.
ISSN:0387-821X