27. 語音弁別能評価法に用いる多音節語音表及び67-S語表の単音節明瞭度と音圧の比較

【背景・目的】標準語音明瞭度検査の検査素材として日本聴覚学会の57-S語表, 67-S語表の単音節語表がある. 単音節語音による会話理解能力を評価するために語音明瞭度による評価は以前から行われていた. 我々は会話理解能力を評価するため, 多音節の語音明瞭度検査のツール作成を行った. 単語毎の親密度や文脈効果の影響を排除するため, 各音節毎に57-S語表を用い広辞苑にない言葉になるように組み合わせ, 無意味な2音節, 3音節を作成した. 人声で作成された67-S語表の語音聴力検査と比較するため67-S語表に関してもCDを作成した. 両語音の音節明瞭度曲線を比較, 検討を行った. 【方法】産業医科...

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Veröffentlicht in:JOURNAL OF UOEH 2010-03, Vol.32 (1), p.114-114
Hauptverfasser: 宮村欣裕, 川波祥子, 近藤充輔, 井上仁郎, 堀江正知
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Zusammenfassung:【背景・目的】標準語音明瞭度検査の検査素材として日本聴覚学会の57-S語表, 67-S語表の単音節語表がある. 単音節語音による会話理解能力を評価するために語音明瞭度による評価は以前から行われていた. 我々は会話理解能力を評価するため, 多音節の語音明瞭度検査のツール作成を行った. 単語毎の親密度や文脈効果の影響を排除するため, 各音節毎に57-S語表を用い広辞苑にない言葉になるように組み合わせ, 無意味な2音節, 3音節を作成した. 人声で作成された67-S語表の語音聴力検査と比較するため67-S語表に関してもCDを作成した. 両語音の音節明瞭度曲線を比較, 検討を行った. 【方法】産業医科大学の無響室で行った. 被験者は医学部の20歳代の学生4名(男3名女1名)とした. AITalk-声の職人(エーアイ)を用いて1音節, 無意味2音節, 3音節語表を作成した. CDプレーヤーで再生してオーディオメーターに入力し, ヘッドフォンを通じて被験者の右耳に提示した. 語音明瞭度の比較を行い, 2音節と3音節に関しては, 音節毎の語音明瞭度と音節全体の語音明瞭度を比較した. 【結果】1音節に関して,人工音声は人声に比べて音圧を30dB程度上げて, 同等の語音明瞭度が得られた. 多音節語音明瞭度検査では, 25dB~35dBにおいて2音節, 3音節共に第2音節が最も高い正答率が得られた. 2・3音節共に音圧レベルが上昇すると連音節明瞭度と単音節明瞭度の差が縮まる傾向にあり, 共に同一の明瞭度の差は音圧で約15dB程度の差であった. 【考察】AITalk・声の職人で作成された音声は男声であるのに対し, 語音聴力検査に用いられる人声は女声であることと人声に比べるとまだ不自然さがあり異聴傾向につながるため, 従来のCDでの検査より正答率が低くなった可能性がある. 第1音節が比較的語音明瞭度が低いのは聴覚の反応の遅れにより異聴している可能性があると考えられ, 第2音節からの方がより反応に適合している可能性もあると考えられた. 今後は被験者数を増加させ, 更なる検討を行いたい.
ISSN:0387-821X