26. 超微細吸入性化学物質(ナノ粒子)の有害性評価とスクリーニング法の開発

二酸化チタンについて, ナノサイズ粒子を精製し, キャラクタリゼーション(1次粒子15nm, 親水性, 結晶構造;アナターゼとルチルの混合, BET比表面積;102m2/g, 中位径51nm)を行い, その懸濁液0.1mgまたは0.2mgをラットに単回気管内注入, 3日, 1週間, 1ヶ月, 3ヶ月, 6ヶ月後に解剖した. 全観察期間を通して, 末梢血の全白血球数, 好中球数の有意な増加を認めなかった. 気管支肺胞洗浄液中の白血球数, 好中球数も, 有意な増加を認めなかった. 肺の病理所見においても著明な炎症所見は認められなかった. クリアランスについては, 0.2mg注入後, 対数関数的に減...

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Veröffentlicht in:JOURNAL OF UOEH 2010-03, Vol.32 (1), p.113-113
Hauptverfasser: 伊規須英輝, 森本泰夫, 田中勇武, 葛西宏
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:二酸化チタンについて, ナノサイズ粒子を精製し, キャラクタリゼーション(1次粒子15nm, 親水性, 結晶構造;アナターゼとルチルの混合, BET比表面積;102m2/g, 中位径51nm)を行い, その懸濁液0.1mgまたは0.2mgをラットに単回気管内注入, 3日, 1週間, 1ヶ月, 3ヶ月, 6ヶ月後に解剖した. 全観察期間を通して, 末梢血の全白血球数, 好中球数の有意な増加を認めなかった. 気管支肺胞洗浄液中の白血球数, 好中球数も, 有意な増加を認めなかった. 肺の病理所見においても著明な炎症所見は認められなかった. クリアランスについては, 0.2mg注入後, 対数関数的に減少し, 半減期5.6ヶ月であった. これに対して, キャラクタリゼーションを行ったナノサイズ酸化ニッケル(一次粒子20nmの凝集体を液相分離にて中位径1.3μm)1mgを気管内注入, 3日, 1週間, 1ヶ月, 3ヶ月, 6ヶ月後に解剖したところ, 肺内の好中球を中心とした炎症細胞浸潤が, 急性期だけでなく慢性期まで認められた. SOD遺伝子の発現亢進, CCSP遺伝子の発現変化も認めた. これらから, ナノサイズの酸化ニッケルが肺障害を引き起こすことが確認された. 一方, 二酸化チタン粒子による試験管内ヒト赤血球溶血試験では, ミクロンサイズのアナターゼ粒子の溶血能は, アモルファス粒子(
ISSN:0387-821X