13. 労働者の生活時間を調査するためにツールの開発
背景と目的 過重労働による脳血管疾患, 心疾患の発生が社会的に問題となっている. 現在, 過重労働により, 脳血管疾患, 心疾患が発症するメカニズムは以下のように2段階で説明されている. 1つ目は, 労働時間が増加することにより睡眠時間が減少するであろうという予測で, 2つ目は, 睡眠時間の減少が, 脳血管疾患, 心疾患のリスクを増大させるという研究である. 1つ目に関しては, 労働時間と睡眠時間の関係を調査したデータは, 総務省による社会生活基本調査や, NHK国民生活時間調査がある. しかし, 労働時間と睡眠時間の間係について詳細に調査した研究は存在しない. そこで, 我々は, 労働時間の...
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Veröffentlicht in: | JOURNAL OF UOEH 2008-03, Vol.30 (1), p.111-111 |
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Hauptverfasser: | , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 背景と目的 過重労働による脳血管疾患, 心疾患の発生が社会的に問題となっている. 現在, 過重労働により, 脳血管疾患, 心疾患が発症するメカニズムは以下のように2段階で説明されている. 1つ目は, 労働時間が増加することにより睡眠時間が減少するであろうという予測で, 2つ目は, 睡眠時間の減少が, 脳血管疾患, 心疾患のリスクを増大させるという研究である. 1つ目に関しては, 労働時間と睡眠時間の関係を調査したデータは, 総務省による社会生活基本調査や, NHK国民生活時間調査がある. しかし, 労働時間と睡眠時間の間係について詳細に調査した研究は存在しない. そこで, 我々は, 労働時間の長短が, 睡眠時間にどのように影響を与えているのかを調査するため, 労働者の生活時間を調査するためのツールを開発した. 方法 業報, 地位が異なる日勤帯の労働者にインターネットを利用した生活時間アンケートを週1回, 勤務日に送信し回答してもらう. 送信する曜日はランダムに設定する. アンケートでは, 前日の生活時間を指定されたカテゴリーに分け, それに要した時間を記載してもらう. 期間は, 3ヶ月~6ヶ月とする. 調査のフローは, まず, 対象企業の労働者に調査への参加を呼びかけ, メールアドレスを取得する(取得できない場合は, 人事経由でメールを配信してもらうことになる). 調査の前日に告知メールを送信する. 2回目以降は, このメールは, 前回調査の協力のお礼メールとして機能させ, ドロップアウトの軽減に役立てる. 調査日当日に配信するメールには, アンケート画面につながるURLが記載されており, 調査対象者はこのURLをクリックし, アンケート画面を表示させ, 回答する. 回答されたデータは, Web経由で運営者が, CSVファイルとして取得し, 解析する. この調査によってできること 1.過重労働対策におけるハイリスク集団の同定 回答されたデータが集まれば, 個人属性ごとに睡眠時間と時間外労働時間の関係を曲線で表現できる. これにより, 睡眠不足に陥りやすいハイリスク集団を同定することができる. 2. 安全衛生教育や保健指導への活用 ハイリスク集団に対する教育や, 長時間労働者に対する保健指導の場で活用することができる. 3.司法の場での参考資料としての活用 睡眠不足による健康障害が疑われる事例が発生した際に, 業務起因性を判断するための客観的指標として活用することができる. |
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ISSN: | 0387-821X |