50.歩行支援ロボットの歩行様式による脳賦活の違い
【背景と目的】トレッドミル上の荷重歩行訓練は, 健常人の運動野及びその周囲に, 脳卒中患者では代償的な部位での脳賦活化が見られる. 歩行支援ロボットによる訓練歩行も運動野やその周囲に賦活を引き起こせるかは, まだ明かではない. 本研究の目的は, 歩行支援ロボットを用いた荷重歩行訓練が健常者の脳賦活状態に及ぼす影響について近赤外線光を用いた光トポグラフィーにて調べることにある. 【対象と方法】対象は, 健常成人6名である. (身長171.9±5.1cm, 体重67.0±2.3kg, 年齢35.5±12.2歳 平均±SD)各被験者は, 歩行支援ロボットに乗り込み, 光トポグラフィー(日立ETG-1...
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Veröffentlicht in: | JOURNAL OF UOEH 2006-03, Vol.28 (1), p.138-138 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【背景と目的】トレッドミル上の荷重歩行訓練は, 健常人の運動野及びその周囲に, 脳卒中患者では代償的な部位での脳賦活化が見られる. 歩行支援ロボットによる訓練歩行も運動野やその周囲に賦活を引き起こせるかは, まだ明かではない. 本研究の目的は, 歩行支援ロボットを用いた荷重歩行訓練が健常者の脳賦活状態に及ぼす影響について近赤外線光を用いた光トポグラフィーにて調べることにある. 【対象と方法】対象は, 健常成人6名である. (身長171.9±5.1cm, 体重67.0±2.3kg, 年齢35.5±12.2歳 平均±SD)各被験者は, 歩行支援ロボットに乗り込み, 光トポグラフィー(日立ETG-100)のプローブを頭頂の運動野を中心に装着する. 歩行様式は, 1)足踏み2)ロボットがアシストしながら自力でトレッドミル上を荷重歩行する, Active assistive mode:A-mode, 3)ロボットが下肢を機械的に動かしてトレッドミル上を荷重歩行する, Passive mode:P-modeの3種類である. プロトコールは, 安静立位30秒に続き60秒間歩行と30秒安静から構成され, 3回繰りかえす. 光トポグラフィーで計測したOxy-Hb, Deoxy-Hb, Total-Hbのデータは加算平均し, 2次元マッピングを行う. 【結果】歩行開始後50秒目には, 足踏みでは, 運動中に頭頂中央部を中心にOxy-Hbが増加するが, ロボットのA-modeでは, 運動中に頭頂周囲のOxy-Hbが増加した. 一方ロボットが, 下肢を動かしてくれるP-modeでは, 運動中Oxy-Hbが増加はなかった. 【考察】足踏みやA-modeでのロボット歩行で脳賦活がみられたが, P-modeでのロボット歩行では, 脳の賦活化が全く生じなかった. この結果は, トレッドミル上の荷重歩行による脳の運動野付近の賦活化には, 能動的な歩行が重要な要素として関係していることが推測される. ロボットで賦活されたPMC(Premotor cortex)やPFC(Prefrontal Cortex)は, 運動プランニングや脳卒中後の運動野回復にも関連がある. 歩行支援ロボットでこれらの部位が活性化されることは, 脳卒中の歩行訓練に有用であると考えられる. 【結論】足踏み歩行や歩行支援ロボットによるA-mode歩行では, Oxy-Hbの増加がみられたが, 歩行支援ロボットP-modeでの歩行では, 増加は見られなかった. また, Oxy-Hbの増加の部位は, 足踏みとロボット歩行では異なっていた. |
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ISSN: | 0387-821X |