28.第3内科における進行食道癌に対する放射線化学療法の治療成績

【目的】食道癌に対し, 放射線化学療法(chemoradiotherapy)を行うことで手術療法と同じ治療成績が得られたという報告がある. 今回我々は進行食道癌症例のうち, (1)臨床的stageより切除不能と判断された症例, (2)高齢, 併存する基礎疾患などから手術適応とならない症例, (3)手術拒否症例, に対し放射線化学療法を実施し, その有用性について検討した. 【対象】1995年1月から2005年5月までに当科へ入院した食道癌患者のうち, 放射線化学療法を施行した進行食道癌22例を対象とした. 性別は, 男性21例, 女性1例で平均年齢は68.4歳(50~79歳)であった. 【方法...

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Veröffentlicht in:JOURNAL OF UOEH 2006-03, Vol.28 (1), p.127-127
Hauptverfasser: 宿輪和孝, 久米恵一郎, 上田城久朗, 山東功佳, 山崎雅弘, 芳川一郎, 大槻眞
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Zusammenfassung:【目的】食道癌に対し, 放射線化学療法(chemoradiotherapy)を行うことで手術療法と同じ治療成績が得られたという報告がある. 今回我々は進行食道癌症例のうち, (1)臨床的stageより切除不能と判断された症例, (2)高齢, 併存する基礎疾患などから手術適応とならない症例, (3)手術拒否症例, に対し放射線化学療法を実施し, その有用性について検討した. 【対象】1995年1月から2005年5月までに当科へ入院した食道癌患者のうち, 放射線化学療法を施行した進行食道癌22例を対象とした. 性別は, 男性21例, 女性1例で平均年齢は68.4歳(50~79歳)であった. 【方法】放射線化学療法として, CDDP+5FU併用の化学療法と, total 60Gyの放射線療法を施行した. 対象症例の治療成績から, (1)初期治療の奏効度, (2)初期治療効果別の予後, (3)進行度別の予後, の項目について検討した. 【結果】日本食道疾患研究会食道癌取扱い規約(第9版)によるstage分類では, stageIが1例(4.5%), stageIIが4例(18.2%), stageIIIが6例(27.3%), stageIVaが6例(27.3%), stageIVbが5例(22.7%)であった. 初期治療効果は, CRが5例(22.8%), PRが11例(50.0%), NCが3例(13.6%), PDが3例(13.6%)で, 初期治療の奏効度は72.7%(16/22)であった. 初期治療効果がCR例では5例中4例が生存中であり, 観察期間は最長2,490日であった. 【予後】Kaplan-Meier法による累積生存率で検討すると, 5cm生存期間は163日であった. 初期治療効果別予後, 進行度別予後でみると, stageII症例では4例中2例が生存中であり, stageIII症例では6例中4例が生存中であった. stageIV症例(stageIVa;6例, stageIVb;5例)では11例中6例が6ヶ月以内に死亡した(4例は経過不明症例, 1例は生存中). 初期治療効果がNC, PD例はほぼ全例が6ヶ月以内に死亡し, 長期生存例は認められなかった.
ISSN:0387-821X