37. 北九州市における障害児の統合保育に関する調査

背景, 目的:医療の高度化に伴って, 障害のある子どもの割合は増加傾向にあり, 子どもへの援助とともにその家族への支援も育児支援の一環として要望され, 保育施設においては健常児との集団保育である「統合保育」への取り組みが推進されている. そこで, 地域における障害のある子どもと家族への支援のあり方を検討するために保育現場での統合保育の実態に関する調査を実施した. 方法:北九州市で認可されている保育所, 保育園(乳児保育所除く148施設)に対し, 無記名の自記式質問紙郵送法にてアンケート調査を行なった. 質問内容は, 障害児の受け入れ状況とその概要についてである. 結果:117施設から回答を得(...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:JOURNAL OF UOEH 2005-03, Vol.27 (1), p.130-130
Hauptverfasser: 濱田裕子, 河内しのぶ, 福澤雪子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:背景, 目的:医療の高度化に伴って, 障害のある子どもの割合は増加傾向にあり, 子どもへの援助とともにその家族への支援も育児支援の一環として要望され, 保育施設においては健常児との集団保育である「統合保育」への取り組みが推進されている. そこで, 地域における障害のある子どもと家族への支援のあり方を検討するために保育現場での統合保育の実態に関する調査を実施した. 方法:北九州市で認可されている保育所, 保育園(乳児保育所除く148施設)に対し, 無記名の自記式質問紙郵送法にてアンケート調査を行なった. 質問内容は, 障害児の受け入れ状況とその概要についてである. 結果:117施設から回答を得(回収率79%), うち有効回答は115施設であった. 障害児の受け入れ経験のある施設は, 103施設(89.6%)であった. また, 過去3年間に受け入れた障害児数は1人~3人が64施設で全体の70%をしめた. 受け入れた児の障害の種類は, 精神発達遅滞118人(41.1%), 自閉症49人(17.1%), 肢体不自由, 脳性麻痺28人(9.8%)などであった. 受け入れた時点の児の年齢は, 「0歳」44施設(18%), 「1歳」48施設(19.7%), 「2歳」51施設(21%), 「3歳」63施設(25.8%), 「4~5歳」(15.5%)であった. 入所(園)後に, 障害判明事例があった施設は75施設(65.2%)であった. また, 障害児の受け入れ経験のある施設のうち, 過去に受け入れ拒否をした経験がある施設は12施設(10.4%)であった. まとめ:全体の9割近くが障害児を受け入れており, 受け入れたことがない施設でも, 要望があれば受け入れ可能な施設が半数近くあり統合保育の浸透が伺える. 一方, 受け入れ拒否理由の中には, マンパワーの不足があげられており, 受け入れ時点での年齢の6割近くが3歳未満であることからも, 加配保育士の基準の見直しも求められる. また, 入所(園)後障害が判明する事例を6割以上の施設が経験しており, 障害が判るまでの親や子どもへの対応も保育現場に委ねられており, 保健, 看護職などの他の専門職の介入や連携のあり方の検討が急務である.
ISSN:0387-821X