16. 産業保健分野における病児を抱える母親支援の研究
[目的] 病児を抱えながら働く母親の仕事を中心としたライフスタイルと児の疾病状況および母親の精神健康度との関係を調査し, 産業保健分野における病児を抱える母親支援を検討した. [方法] 対象は, 気管支喘息群(57人), 感染症群(54人), NICUフォローアップ外来群(19人), 乳幼児健診予防接種群(以下健康群と表示:66人)で, 調査趣旨は主治医より, 母親に説明し, 自記記入方式とした. 精神健康度の指標としてGHQ28項目版を使用した. [結果] 仕事の状況とGHQ点数の関係は, 主婦(無職)と比較し, フルタイム, パートタイムの点数が高くなっている. 疾患別では, 健康群と比較...
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Veröffentlicht in: | JOURNAL OF UOEH 2004-03, Vol.26 (1), p.139-139 |
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Hauptverfasser: | , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | [目的] 病児を抱えながら働く母親の仕事を中心としたライフスタイルと児の疾病状況および母親の精神健康度との関係を調査し, 産業保健分野における病児を抱える母親支援を検討した. [方法] 対象は, 気管支喘息群(57人), 感染症群(54人), NICUフォローアップ外来群(19人), 乳幼児健診予防接種群(以下健康群と表示:66人)で, 調査趣旨は主治医より, 母親に説明し, 自記記入方式とした. 精神健康度の指標としてGHQ28項目版を使用した. [結果] 仕事の状況とGHQ点数の関係は, 主婦(無職)と比較し, フルタイム, パートタイムの点数が高くなっている. 疾患別では, 健康群と比較して, 喘息群感染症群は有意にGHQ点数が高く, 半数以上の母親は病気の対処に自信を持っていない. 病児保育の希望は, 働いている母親に多く, 地域や職場からの支援の要望では, 子どもの看護のための休暇制度の充実, 職場の子どもの病気に関する理解の向上, 病児を受け入れる保育体制の充実は, 主婦(無職)と比較し, フルタイム, パートタイムの希望が多くなっている. [考察結論] 厚生労働省は, 平成17年度より, 次世代育成対策推進法の施行を予定しており, その中では, 職場の子育て支援が強く期待されている. 今回の調査で, 子育て支援を(1)医療供給体制(2)社会的サポート(3)母親(父親)としての自覚と自立性の3つの視点から考えることが重要であることが判明した. 病児を抱える母親のストレスは大きく, また, 半数の母親は, 病気の対処に自信を持っていない状況を踏まえ, 産業保健スタッフは, 医療専門職として, 子育て中の労働者の子どもの病気に関し, 具体的な支援を行うとともに, 病児保育などの労働環境整備も新しい職務と捉える必要がある. |
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ISSN: | 0387-821X |