過労死・過労自殺を考える -突然死・過労死の実態について

突然死については東京都内の実態, また過労死については裁判例を中心に述べる. 突然死とは, 予期しない突然の死亡をいうが, 予期しない死亡とは健康であると確信している人が死亡する場合(健康群)と, 既往歴があり何らかの治療を継続してコントロールされている人が死亡する場合(疾患群)がある. 東京都内の突然死は男性0.66/1000人, 女性0.42/1000人で男性に多く, 65歳以上では健康群(男性35.9%, 女性68.8%〕, 疾患群(男性59.9%, 女性79.6%)である. 就寝中は健康群および疾患群とも約30%, 入浴中は健康群および疾患群とも男性約10%, 女性約15%である. 死...

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Veröffentlicht in:JOURNAL OF UOEH 2003-03, Vol.25 (1), p.128-128
1. Verfasser: 徳留省悟
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:突然死については東京都内の実態, また過労死については裁判例を中心に述べる. 突然死とは, 予期しない突然の死亡をいうが, 予期しない死亡とは健康であると確信している人が死亡する場合(健康群)と, 既往歴があり何らかの治療を継続してコントロールされている人が死亡する場合(疾患群)がある. 東京都内の突然死は男性0.66/1000人, 女性0.42/1000人で男性に多く, 65歳以上では健康群(男性35.9%, 女性68.8%〕, 疾患群(男性59.9%, 女性79.6%)である. 就寝中は健康群および疾患群とも約30%, 入浴中は健康群および疾患群とも男性約10%, 女性約15%である. 死因は健康群においては, 心血管系疾患54.3%, 脳血管系疾患20.5%, 呼吸器疾患6.8%, 消化器疾患5.1%, その他13%である. 疾患群においては, 心血管系疾患57.9%, 脳血管系疾患14.3%, 呼吸器疾患9.7%, 消化器疾患7.6%, その他10.7%である. 過労死の対象疾病は, 平成7年2月1日基発第38号通達により脳血管系疾患(脳出血, くも膜下出血, 脳梗塞, 高血圧性脳症), 虚血性心疾患など(一次心停止, 狭心症, 心筋梗塞症, 解離性動脈瘤〕で, 平成8年1月22日基発第30号通達により不整脈による突然死が認定基準に追加され, 平成12年に判示された複数の最高裁判所の判例により, 脳心臓疾患に関する専門委員会が設置され, 平成13年12月12日基発第1063号通達により, 長期にわたる疲労の蓄積, 負荷の明確化, リスクファクターの評価などを考慮し, 認定基準の大幅な見直しが行われる. 過労死の労災認定の問題点は障害基礎疾患素因があろうとも労災認定においてオールオアナッシングの業務上業務外の二者択一の判断をしている点であり, 将来的に因果関係の割合的認定が必要である.
ISSN:0387-821X