乳児期発症例を含む血栓症多発の1家系

アンチトロンビン欠乏症の報告以来, 様々な先天性血栓性素因が発見されているが, 我々は, 既知の血栓性素因がいずれも否定された血栓症多発の1家系を経験したので報告する. 症例1は56生日に下大静脈血栓症により死亡した. 症例1の姉である症例2は2歳時に左下肢深部静脈血栓症を発症し, その後ワルファリンの服用を開始したが, 7歳時に右下肢の深部静脈血栓症に罹患した. この姉弟の家系にはその他に5例を含めて, 3世代計7例の血栓症罹患者が存在し, うち6例は50歳未満の若年発症であった. アンチトロンビン, プロテインC, プロテインS, ヘパリンコファクターⅡ, 可溶性トロンボモジュリン, プラ...

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Veröffentlicht in:JOURNAL OF UOEH 2001/09/01, Vol.23(3), pp.297-305
Hauptverfasser: 酒井, 道生, 浦野, 元, 飯沼, 麻美, 岡本, 好司, 大里, 敬一, 白幡, 聡
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:アンチトロンビン欠乏症の報告以来, 様々な先天性血栓性素因が発見されているが, 我々は, 既知の血栓性素因がいずれも否定された血栓症多発の1家系を経験したので報告する. 症例1は56生日に下大静脈血栓症により死亡した. 症例1の姉である症例2は2歳時に左下肢深部静脈血栓症を発症し, その後ワルファリンの服用を開始したが, 7歳時に右下肢の深部静脈血栓症に罹患した. この姉弟の家系にはその他に5例を含めて, 3世代計7例の血栓症罹患者が存在し, うち6例は50歳未満の若年発症であった. アンチトロンビン, プロテインC, プロテインS, ヘパリンコファクターⅡ, 可溶性トロンボモジュリン, プラスミノゲン, α2プラスミノゲインインヒビター, tissue factor pathway inhibitorを測定したが異常なく, 活性化プロテインCに対する抵抗性も認めなかった. 本家系では, 世代を経るに従い発症年齢が若年化し, かつ臨床像が重篤化する傾向を認めた.
ISSN:0387-821X
2187-2864
DOI:10.7888/juoeh.23.297