66. 喫煙環境対策の及ぼす喫煙習慣への影響
[目的] 環境タバコ煙暴露がもたらす健康影響が明らかにされつつある中, 「快適職場指針」の公示や「職場における喫煙対策のためのガイドライン」の策定等により, 職域での喫煙対策, とくに受動喫煙対策は産業医学上, 重要な課題となっている. 分煙は受動喫煙対策としてもっとも頻繁に実施される方法であるが, 分煙実施後の個人の喫煙習慣への影響についての報告は少ない. そこで職域における分煙を主とした受動喫煙環境対策とその喫煙習慣の関連性の検討を目的に, 対策が及ぼす喫煙者非喫煙者への影響を調査した. [対象と方法] 山口県内にある某製紙工場を対象に, 受動喫煙環境の改善を目的とした喫煙対策を実施した....
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Veröffentlicht in: | JOURNAL OF UOEH 1999, Vol.21 (1), p.103-103 |
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1. Verfasser: | |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | [目的] 環境タバコ煙暴露がもたらす健康影響が明らかにされつつある中, 「快適職場指針」の公示や「職場における喫煙対策のためのガイドライン」の策定等により, 職域での喫煙対策, とくに受動喫煙対策は産業医学上, 重要な課題となっている. 分煙は受動喫煙対策としてもっとも頻繁に実施される方法であるが, 分煙実施後の個人の喫煙習慣への影響についての報告は少ない. そこで職域における分煙を主とした受動喫煙環境対策とその喫煙習慣の関連性の検討を目的に, 対策が及ぼす喫煙者非喫煙者への影響を調査した. [対象と方法] 山口県内にある某製紙工場を対象に, 受動喫煙環境の改善を目的とした喫煙対策を実施した. これには産業医による健康教育, 職場巡視, さらに記入式アンケートによる対策前の96年と対策後の98年の喫煙環境の現状把握が行われた. また喫煙環境対策前後における喫煙習慣について, 対策実施前後に転出入のみられなかった1143名(男性1036名, 女性107名)を対象に検討した. [結果] 喫煙対策により受動喫煙環境に何らかの対策を講じている職場は96年の12%から98年の58%へと増加した. 新たに実施された対策の75%は空間分煙が占めていた. この2年間では喫煙率に変化はみられなかったが, 96年で30本以上の喫煙本数のあった喫煙者はその本数が減少する傾向が, 逆に29本以下の喫煙者については増加する傾向がみられた. 非喫煙者が「職場で受動喫煙の機会がよくある」とする割合は, 今回の喫煙環境対策で対策の実施された職場では変化がみられなかったが, 実施されなかった職場では増加の傾向がみられた. [結論] 受動喫煙環境の改善を目的とした喫煙対策は喫煙者の喫煙行動に影響し, 非喫煙者の嫌煙意識を高める可能性が示唆された. |
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ISSN: | 0387-821X |