47. 生活改善意欲の向上を目指した新しい体型評価法

Iはじめに 現在, 体型評価の基準となる指標は, BMIや体脂肪量が一般的にも普及している. しかし, その結果を生活改善へ結びつけるためには, LBM(Lean Body Mass:除脂肪体重)との関連で受診者にわかりやすく理解させる必要があると考えた. そこで, 2次元的な新しい体型分類「えびフライ理論」を考案し, 成人病の危険因子との関係を調査してきた. この結果についていくつかの知見を得たので報告する. II方法 人間ドックを受診した男性909名, 女性543名について「えびフライ理論」に従った体型分類を行い, その各体型毎における有所見者の比率を調査し, 比較した. 「えびフライ理論...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:JOURNAL OF UOEH 1999-03, Vol.21 (1), p.93-93
Hauptverfasser: 江口泰正, 岩政琢, 繁永育久, 舟谷文男
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:Iはじめに 現在, 体型評価の基準となる指標は, BMIや体脂肪量が一般的にも普及している. しかし, その結果を生活改善へ結びつけるためには, LBM(Lean Body Mass:除脂肪体重)との関連で受診者にわかりやすく理解させる必要があると考えた. そこで, 2次元的な新しい体型分類「えびフライ理論」を考案し, 成人病の危険因子との関係を調査してきた. この結果についていくつかの知見を得たので報告する. II方法 人間ドックを受診した男性909名, 女性543名について「えびフライ理論」に従った体型分類を行い, その各体型毎における有所見者の比率を調査し, 比較した. 「えびフライ理論」による2次元的体型分類とは, X軸をLBM(除脂肪体重)量/身長^2(以下L-BMIと表す), Y軸を体脂肪量/身長^2(以下F-BMIと表す)とし, X軸, Y軸ともに標準を中心に基準域を設け, それぞれ高中低域の3段階に区分することによって計9つの体型に分ける方法である. III結果と考察 血圧(SYS)における各体型毎の有所見者の比率は, 男女ともF-BMI値の高い「脂満(しまん)」体型群で有意に高い傾向が見られた. また, 男性においてL-BMI値の低い「やせ」体型群で有意に比率が低い傾向性が, 女性ではL-BMI値の高い「堅太(かたぶと)」体型群で有意に比率が高い傾向が見られた. また, T-choにおいては, 男女とも「やせ脂満」型で有所見者の比率が高い傾向が見られ, 「薄脂」体型群で低い傾向が見られた. さらにその他の検査項目でもそれぞれに特徴的な傾向性が見られた. このように, 体脂肪量とLBMとを組み合わせた体型評価によって, 今後の生活指導等において, 対象者により理解しやすい説明ができ, 生活改善意欲を向上させることが可能になるのではないかと思われる.
ISSN:0387-821X