ストレスと抗コルチゾールホルモン: 組織修復マーカーとしての17-ケトステロイド硫酸抱合体
今日までのストレス科学はコルチゾール(17-OHCS: 17α-ヒドロキシコルチコステロイド), カテコールアミンに重きをおいたものが多く, これらは生物学的場よりすれば摩耗(H.Selye)の研究に属する.しかし, 生物はエネルギー変換のもと摩耗と修復の動的平衡の下に生を営むものであり, 生体の適応能把握は少なかれ, 上記陰陽両面より行うべきものとの視点から, 我々は17-OHCSを摩耗関連物質と捉え, 修復関連物質を他にもとめ, 17-ケトステロイド硫酸抱合体(17-KS-S)にそれを見出した.言い換えれば, それによりストレスにのみ重きをおいた今日までのストレス研究において摩耗より修復に...
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Veröffentlicht in: | JOURNAL OF UOEH 1998/12/01, Vol.20(4), pp.273-295 |
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Hauptverfasser: | , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 今日までのストレス科学はコルチゾール(17-OHCS: 17α-ヒドロキシコルチコステロイド), カテコールアミンに重きをおいたものが多く, これらは生物学的場よりすれば摩耗(H.Selye)の研究に属する.しかし, 生物はエネルギー変換のもと摩耗と修復の動的平衡の下に生を営むものであり, 生体の適応能把握は少なかれ, 上記陰陽両面より行うべきものとの視点から, 我々は17-OHCSを摩耗関連物質と捉え, 修復関連物質を他にもとめ, 17-ケトステロイド硫酸抱合体(17-KS-S)にそれを見出した.言い換えれば, それによりストレスにのみ重きをおいた今日までのストレス研究において摩耗より修復に至る経過観察を可能なものとし, ひと適応能把握に17-KS-S, 17-OHCS両者の同時測定が重要とした.我々はまた17-KS-Sの起源を副腎皮質デヒドロエピアンドロステロン硫酸抱合体(DHEA-S)にあることを見出し, ストレスはCRH, ACTH, カテコールアミン, コルチゾール(17-OHCS)の産生・分泌にはじまり, 同化因子としてのインスリンの分泌がそれに続き, その産生エネルギーをDHEA(17-KS-S)が利用, 組織をして修復に導くものと捉えている.上記ホルモンの均衡のとれた分泌は健康的な生活様式下にある健常生体に見出され, それらの破綻は17-KS-Sを低下に導く.ここに, 生物学的に相互に相反する作用を有する17-KS-S, 17-OHCSに立脚し, 特にひとの心と体の接点にある17-KS-S(脳においてDHEAよりDHEA-Sの産生, 神経細胞の機能維持に関与)を中心に研究をすすめることが重要とされた. |
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ISSN: | 0387-821X 2187-2864 |
DOI: | 10.7888/juoeh.20.273 |