Emerging and Reemerging Infectious Pathogens and Diseases -いま顕在化しつつあるかつてのあるいは新しい感染症とその病原体をめぐって-はじめに
近年, 感染症の様相が急速に変貌しつつあり, 一般社会においても深刻な問題を提起している. HW感染症やエボラ出血熱, 創症型溶レン菌感染症, 病原性大腸菌(0157:H7)による食中毒およびHUS, ヘリコバクター性胃十二指腸潰瘍および胃癌, そしてプリオン病(狂牛病, CJD)などの新しい感染症が次々に出現したり, 抗生剤をはじめとした化学療法剤の開発や様々な防疫プログラムによって制圧に成功していたと考えられていた感染症が再び猛威をふるいはじめたり, また既知の病原体とは著しく性状を異にしたいわゆる新型菌が出現したり, といった状況に直面している. こうした諸問題および深刻な状況は産業医学...
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Veröffentlicht in: | JOURNAL OF UOEH 1997-03, Vol.19 (1), p.69-69 |
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1. Verfasser: | |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 近年, 感染症の様相が急速に変貌しつつあり, 一般社会においても深刻な問題を提起している. HW感染症やエボラ出血熱, 創症型溶レン菌感染症, 病原性大腸菌(0157:H7)による食中毒およびHUS, ヘリコバクター性胃十二指腸潰瘍および胃癌, そしてプリオン病(狂牛病, CJD)などの新しい感染症が次々に出現したり, 抗生剤をはじめとした化学療法剤の開発や様々な防疫プログラムによって制圧に成功していたと考えられていた感染症が再び猛威をふるいはじめたり, また既知の病原体とは著しく性状を異にしたいわゆる新型菌が出現したり, といった状況に直面している. こうした諸問題および深刻な状況は産業医学領域とも決して無縁のものではない. なぜならば, 業務(赴任)という目的で多種多様な病原体が土着する流行地への渡航の機会も多くなっており, そのための教育や対策において, また職場内感染やその伝播を予知予防(制御)するという役割も課せられているといえる. 以上のような主旨にて, 第14回産業医科大学学会総会における「特別講演」および「シンポジウム」は, 変貌しつつある感染症の現状とその病原体にスポットをあてた特集を企画することとなった. まず特別講演ではATLやAIDS病原体としてのレトロウィルスゲノムの構造と機能の特殊性, それに基づ遺伝伝子治療のためのベクターとしての応用面についての最新の研究成果を御紹介いただく予定である. シンポジウムでは, 細菌性, 原虫寄生虫性, ウィルス性疾患の各分野から, 目下表面化しつつあるかつての(過去の)あるいは新しい病原体について, その毒性, 発症と流行の疫学的背景を中心に, それぞれの領域の第一線で調査研究活動を展開してこられた三人の先生方に解説をお願いした. |
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ISSN: | 0387-821X |