健康体操教室に長期参加し続けた地域高齢者の経験

1.はじめに わが国の高齢者数は増加の一途をたどり,高齢者の健康と生活の質に関心が寄せられている.高齢者の生活において,生活に必要な体力水準の維持は,自立した生活に不可欠であり,多くの地方自治体において介護予防,転倒予防を目的とした体操教室などが運営されてきている.高齢者の歩行能力は,IADL1)や転倒発生の予測因子2)になることが明らかにされている.高齢者の運動効果の報告には,柔軟性,脚筋力・持久力,腹筋・持久力などの身体機能の向上,転倒予防自己効力感,運動意欲への効果3),抑うつ感の改善や心理的QOL4),脚力,バランス能力に加え,主観的健康感の向上5)などの心理的・精神的効果などがある....

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:身体教育医学研究 2007, Vol.8(1), pp.45-52
Hauptverfasser: 渡辺, みどり, 征矢野, あや子, 上原, ます子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Schlagworte:
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:1.はじめに わが国の高齢者数は増加の一途をたどり,高齢者の健康と生活の質に関心が寄せられている.高齢者の生活において,生活に必要な体力水準の維持は,自立した生活に不可欠であり,多くの地方自治体において介護予防,転倒予防を目的とした体操教室などが運営されてきている.高齢者の歩行能力は,IADL1)や転倒発生の予測因子2)になることが明らかにされている.高齢者の運動効果の報告には,柔軟性,脚筋力・持久力,腹筋・持久力などの身体機能の向上,転倒予防自己効力感,運動意欲への効果3),抑うつ感の改善や心理的QOL4),脚力,バランス能力に加え,主観的健康感の向上5)などの心理的・精神的効果などがある.いずれの効果も,運動の継続によってもたらされる結果であり,運動習慣の確立を支援することが重要である.運動習慣を確立する過程の支援方法については,トランスセオレティカルモデル(TTM)を用いた介入結果6),個人内要因として行動変容の段階,行動変容の過程,セルフエフィカシー,意思決定のバランス7)などが報告されている.
ISSN:1345-6962
1883-0722
DOI:10.11335/jpem.8.45