高齢者のめまい

1. めまいの定義 日常行動において, 常に以下の反射が働いている. 1)起立姿勢の安定さを保つ立ち直り反射 2)静的ならびに動的な姿勢の構成を助ける構え反射 3)運動をスムーズに遂行させる運動反射 これらの反射を平衡反射と呼び, その仕組みを平衡機能という(図1). 具体的には, 筋肉関節の深部感覚と足蹠の皮膚感覚はその位置や安定の状態を, 前庭迷路は重力の方向や頭の動きを, 目は前方をみつめることにより目の動きを調節して外界の状況を把握している. そして, これらの情報は脳幹平衡中枢に集められ, 統合, 制御され, 反射的に身体の平衡を調節する仕組みになっている. この仕組みに何らかの異常...

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Veröffentlicht in:身体教育医学研究 2003, Vol.4(1), pp.75-80
1. Verfasser: 中西, 和仁
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:1. めまいの定義 日常行動において, 常に以下の反射が働いている. 1)起立姿勢の安定さを保つ立ち直り反射 2)静的ならびに動的な姿勢の構成を助ける構え反射 3)運動をスムーズに遂行させる運動反射 これらの反射を平衡反射と呼び, その仕組みを平衡機能という(図1). 具体的には, 筋肉関節の深部感覚と足蹠の皮膚感覚はその位置や安定の状態を, 前庭迷路は重力の方向や頭の動きを, 目は前方をみつめることにより目の動きを調節して外界の状況を把握している. そして, これらの情報は脳幹平衡中枢に集められ, 統合, 制御され, 反射的に身体の平衡を調節する仕組みになっている. この仕組みに何らかの異常(過剰)な刺激が加わったり障害が起こると, 中枢である脳は通常どおりに情報を処理することができず, 混乱が生じて平衡のバランスが崩れる. この状態をめまいという. 原因としては, 炎症, 循環障害, 腫瘍, 中毒, 外傷, 変性疾患などがある. 2. めまいの症状 めまいといってもその症状は多様であるが, おおよそ次の四種類に大別できる.
ISSN:1345-6962
1883-0722
DOI:10.11335/jpem.4.75