外来化学療法部における TS-1 服用患者に対する継続的な薬学的管理: 患者教育システムの構築と積極的なファーマシューティカルケアへの取り組み

「緒言」TS-1は胃がん, 結腸・直腸がん, 頭頸部がん, 非小細胞肺がん, 手術不能または再発乳がん, 膵がんとさまざまながん腫に用いられる内服抗がん剤である. 非小細胞肺がんに対してはシスプラチンとの併用が承認されているが, 他のがん腫に対しては単剤使用での適応であり1), 注射用抗がん剤との併用療法に関するさまざまな臨床試験が進められている. とくに胃がん領域ではACTS-GC試験やSPIRITS試験で術後補助療法としての使用やシスプラチンとの併用療法の有効性が報告され, TS-1は胃がん領域で中心的な薬剤になりつつあるといえる2-4). 臨床において, 注射用抗がん剤との組み合わせレジ...

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Veröffentlicht in:医療薬学 2009, Vol.35(12), pp.866-874
Hauptverfasser: 祝, 千佳子, 小林, 政彦, 寺田, 智祐, 矢野, 育子, 松本, 繁巳, 柳原, 一広, 福島, 雅典, 乾, 賢一
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「緒言」TS-1は胃がん, 結腸・直腸がん, 頭頸部がん, 非小細胞肺がん, 手術不能または再発乳がん, 膵がんとさまざまながん腫に用いられる内服抗がん剤である. 非小細胞肺がんに対してはシスプラチンとの併用が承認されているが, 他のがん腫に対しては単剤使用での適応であり1), 注射用抗がん剤との併用療法に関するさまざまな臨床試験が進められている. とくに胃がん領域ではACTS-GC試験やSPIRITS試験で術後補助療法としての使用やシスプラチンとの併用療法の有効性が報告され, TS-1は胃がん領域で中心的な薬剤になりつつあるといえる2-4). 臨床において, 注射用抗がん剤との組み合わせレジメンは多様であり, 各々の患者のTS-1内服スケジュール, レジメンの管理について医師・薬剤師・看護師のいずれもが把握しにくいという問題があった. また, 医療スタッフだけではなく, 患者自身も点滴日とTS-1内服期間について, 正確に認識しておく必要があり, 飲み間違いに特に注意を要する治療といえる.
ISSN:1346-342X
1882-1499
DOI:10.5649/jjphcs.35.866