血液腫瘍科病棟薬局における臨床薬剤業務の評価: 薬剤師による注射薬無菌混合調製業務が医療安全にもたらす有用性の検討

「緒言」患者に対し安全かつ安心な医療の提供が叫ばれる昨今, 医療現場における薬物療法に対して, 薬剤師が果たすべき役割は大きく, 薬剤師による積極的な取り組みが他の医療スタッフからも強く期待されている. 川村ら1)は, 厚生科学研究報告書「医療のリスクマネジメントシステム構築に関する研究」において, 医療現場におけるヒヤリ・ハット事例の約4割が医薬品に関連しており, その中でも注射薬業務に関する事例がヒヤリ・ハット事例の約3割を占めていたと報告している. また, 竹内ら2)は, 院内で発生したインシデントのうちの約4割が医薬品に関するものであることを報告している. 海外においても, 看護師によ...

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Veröffentlicht in:医療薬学 2009, Vol.35(12), pp.856-865
Hauptverfasser: 中村, 豪志, 多田, 雅美, 合田, 昌子, 木村, 知行, 濱口, 常男, 門林, 宗男
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「緒言」患者に対し安全かつ安心な医療の提供が叫ばれる昨今, 医療現場における薬物療法に対して, 薬剤師が果たすべき役割は大きく, 薬剤師による積極的な取り組みが他の医療スタッフからも強く期待されている. 川村ら1)は, 厚生科学研究報告書「医療のリスクマネジメントシステム構築に関する研究」において, 医療現場におけるヒヤリ・ハット事例の約4割が医薬品に関連しており, その中でも注射薬業務に関する事例がヒヤリ・ハット事例の約3割を占めていたと報告している. また, 竹内ら2)は, 院内で発生したインシデントのうちの約4割が医薬品に関するものであることを報告している. 海外においても, 看護師による注射薬調製および投与時の過誤発生率が高いことが報告されており3, 4), 患者に投与される注射薬の安全性の向上が望まれている. 患者に投与される注射薬の安全性を確保するためには, 薬歴あるいはレジメンに基づいた注射薬処方の鑑査, 注射薬の無菌的な調製, 配合変化や点滴ライン由来の細菌汚染の防止, 刺入部の衛生管理等が必要である.
ISSN:1346-342X
1882-1499
DOI:10.5649/jjphcs.35.856