ボリコナゾールによる肝障害に関するレトロスペクティブ調査

「緒言」ボリコナゾール(VRCZ)は広いスペクトルを有するアゾール系抗真菌薬であり, 重症または難治性真菌感染症に使用される. しかし, 特徴的な副作用として視覚障害や重篤な肝障害が現れることがあり, 臨床上注意が必要である. 霧視や羞明など視覚に関する副作用の発生頻度は国内第III相臨床試験では52.0%と報告されており, これらの発生は投与初期(1~7日目)に多く, 持続期間は1週間以内であることが明らかとなっている1). 一方, 肝・胆道系の副作用の発生頻度は国内第III相臨床試験で36.0%と高頻度であり, そのため, 投与期間中は定期的(月に1~2回)に肝機能検査を行うことと警告され...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:医療薬学 2009, Vol.35(8), pp.579-584
Hauptverfasser: 高根, 浩, 島田, 耕太郎, 小川, 勝弘, 大坪, 健司
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:「緒言」ボリコナゾール(VRCZ)は広いスペクトルを有するアゾール系抗真菌薬であり, 重症または難治性真菌感染症に使用される. しかし, 特徴的な副作用として視覚障害や重篤な肝障害が現れることがあり, 臨床上注意が必要である. 霧視や羞明など視覚に関する副作用の発生頻度は国内第III相臨床試験では52.0%と報告されており, これらの発生は投与初期(1~7日目)に多く, 持続期間は1週間以内であることが明らかとなっている1). 一方, 肝・胆道系の副作用の発生頻度は国内第III相臨床試験で36.0%と高頻度であり, そのため, 投与期間中は定期的(月に1~2回)に肝機能検査を行うことと警告されている1). VRCZによる肝障害の機序は不明である. 一方, VRCZの血中濃度と肝障害との関連性について報告されている2, 3). Denningら2)は, 血中濃度が6μg/mL以上の場合, 肝障害が高頻度で発生する可能性を示唆している.
ISSN:1346-342X
1882-1499
DOI:10.5649/jjphcs.35.579