昭和大学藤が丘病院におけるリネゾリド使用状況
「緒言」 linezolid(LZD)は, オキサゾリジノン系に分類される新規合成抗菌剤であり, 既存の抗菌薬に対して耐性を示すグラム陽性球菌に対しても抗菌力を有している. すでに欧米では臨床使用されており, その有効性は高く評価されている1,2). わが国においても, 2001年にvancomycin-resistant Enterococcus(VRE)治療薬として, 2006年4月からはmethicillin-resistant Staphylococus aureus(MRSA)が適応菌種として追加になり, 臨床使用が拡大した. 昭和大学藤が丘病院(以下, 当院と略す)では, VRE治...
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Veröffentlicht in: | 医療薬学 2008, Vol.34(12), pp.1100-1104 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「緒言」 linezolid(LZD)は, オキサゾリジノン系に分類される新規合成抗菌剤であり, 既存の抗菌薬に対して耐性を示すグラム陽性球菌に対しても抗菌力を有している. すでに欧米では臨床使用されており, その有効性は高く評価されている1,2). わが国においても, 2001年にvancomycin-resistant Enterococcus(VRE)治療薬として, 2006年4月からはmethicillin-resistant Staphylococus aureus(MRSA)が適応菌種として追加になり, 臨床使用が拡大した. 昭和大学藤が丘病院(以下, 当院と略す)では, VRE治療薬としてLZDを採用していたが, MRSAの追加適応となるまで使用例はなかった. LZDは数少ないVRE治療薬であること, また, 経口剤もあることから, 乱用による耐性菌発生の危険性を考慮し, 適正使用が強く望まれている薬剤である. 抗MRSA薬使用の手引き(http://www.kansensho.or.jp/news/pdf/mrsa_tebiki.pdf)でも, 敗血症, 院内肺炎, 皮膚・軟部組織感染症, 腹腔内膿瘍, 膿胸などの重症感染症や, 腎機能障害患者に対して選択される場合があるという記載があり, VRE用薬ということも踏まえて, より慎重な使用が望まれる薬剤となっている. |
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ISSN: | 1346-342X 1882-1499 |
DOI: | 10.5649/jjphcs.34.1100 |