塩酸バンコマイシン注初回投与設計における血清シスタチン C の有用性に関する検討

「緒言」塩酸バンコマイシン(以下, VCMと略す)注の使用に際しては, 母集団パラメータを用いた初回投与設計が行われている. 日本人成人のVCM母集団薬物動態パラメータ(表1)1)において, VCMクリアランス(以下, CLvcmと略す)はクレアチニンクリアランス(以下, CLcrと略す)との相関が示されており, CLvcmを正しく評価するためにはCLcrを精度良く推定することが必要になる. CLcrの推定には, 血清クレアチニン(以下, Scrと略す)濃度, 体重および年齢より推定するCockcroft&Gault式2)(以下, C&G式と略す)が汎用されている. Scrは筋...

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Veröffentlicht in:医療薬学 2008, Vol.34(8), pp.736-741
Hauptverfasser: 栗原, 晋太郎, 辻, 隆弘, 光廣, 貴紀, 清水, 真吾, 本田, 和穂, 冨田, 隆志, 永井, 道明, 中島, 浩一郎, 中西, 敏夫
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「緒言」塩酸バンコマイシン(以下, VCMと略す)注の使用に際しては, 母集団パラメータを用いた初回投与設計が行われている. 日本人成人のVCM母集団薬物動態パラメータ(表1)1)において, VCMクリアランス(以下, CLvcmと略す)はクレアチニンクリアランス(以下, CLcrと略す)との相関が示されており, CLvcmを正しく評価するためにはCLcrを精度良く推定することが必要になる. CLcrの推定には, 血清クレアチニン(以下, Scrと略す)濃度, 体重および年齢より推定するCockcroft&Gault式2)(以下, C&G式と略す)が汎用されている. Scrは筋肉由来の代謝産物であり, その産生量は筋肉量に依存するため, 性別, 年齢, 人種および栄養状態など腎機能以外の要因で値が変化する. また, Scr濃度にはcreatinine blind areaが存在し, 糸球体ろ過量(以下, GFRと略す)が50mL/min以下, ときに30mL/min以下に低下するまで血中濃度が上昇しないことから早期腎機能マーカーとしては使用できないといわれ, 今日に至っている3).
ISSN:1346-342X
1882-1499
DOI:10.5649/jjphcs.34.736