調製過誤防止に向けた THERP 法によるインシデント要因分析の試み
緒言 厚生労働省は医療過誤が後を絶たないことを重視し, 平成13年4月に患者の安全確保を旨とした「医療安全推進室」を設置し, 医療安全推進総合対策であるヒヤリ・ハットと医療過誤の院内報告を医療機関に義務付けた1, 注1). 医療過誤は, 依然として発生しており2-6), 解決すべき急務の課題である. 特に, 医療過誤における医薬品のかかわりは全報告事例の約30%を占め1), 医薬品の取り間違いや薬用量の間違いはヒューマンエラーという不確定性の高い未解の要因により発生することから, 根本的対策や解析法による明解な改善策の提案はきわめて困難である. 人間の行動とエラーに関しての解析は, 原子力をは...
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Veröffentlicht in: | 医療薬学 2008, Vol.34(6), pp.552-558 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 緒言 厚生労働省は医療過誤が後を絶たないことを重視し, 平成13年4月に患者の安全確保を旨とした「医療安全推進室」を設置し, 医療安全推進総合対策であるヒヤリ・ハットと医療過誤の院内報告を医療機関に義務付けた1, 注1). 医療過誤は, 依然として発生しており2-6), 解決すべき急務の課題である. 特に, 医療過誤における医薬品のかかわりは全報告事例の約30%を占め1), 医薬品の取り間違いや薬用量の間違いはヒューマンエラーという不確定性の高い未解の要因により発生することから, 根本的対策や解析法による明解な改善策の提案はきわめて困難である. 人間の行動とエラーに関しての解析は, 原子力をはじめとする工学系分野で古くから発展し, いくつかの要因解析法が考案・活用され検討されてきた7). Technique for Human Error Rate Prediction(以下, THERPと略す)法は, 1950年代にSwainらにより開発され, 原子力発電所の安全評価の一環として人間信頼性評価に多用されている8-10). |
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ISSN: | 1346-342X 1882-1499 |
DOI: | 10.5649/jjphcs.34.552 |