同種造血幹細胞移植(Allo-SCT)におけるタクロリムス内服時の薬物動態の解析と適正使用に向けた検討

「緒言」同種造血幹細胞移植(Allo-SCT)後のgraft-versus-host-disease(GVHD)は, 移植成績を左右する重要な合併症の一つである. このGVHDのコントロールは, 免疫抑制剤であるシクロスポリンやタクロリムスといったカルシニューリン阻害剤(以下, CNIと略す)を中心に用いて行われている. これらCNIは治療濃度域が狭いことからtherapeutic drug monitoring(TDM)を行い臨床使用されているが, シクロスポリンの内服は薬物動態の個人差が大きく, トラフ値でのTDMは薬物動態学的指標であるarea under the curve(AUC),...

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Veröffentlicht in:医療薬学 2008, Vol.34(5), pp.496-502
Hauptverfasser: 吉田, 仁志, 礒野, 淳一, 小林, 明恵, 佐倉, 徹, 宮脇, 修一, 園山, 智宏, 滝元, 大和, 高野, 恵美子, 清水, 和代, 若山, 聡雄, 吾郷, 浩厚, 木津, 純子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「緒言」同種造血幹細胞移植(Allo-SCT)後のgraft-versus-host-disease(GVHD)は, 移植成績を左右する重要な合併症の一つである. このGVHDのコントロールは, 免疫抑制剤であるシクロスポリンやタクロリムスといったカルシニューリン阻害剤(以下, CNIと略す)を中心に用いて行われている. これらCNIは治療濃度域が狭いことからtherapeutic drug monitoring(TDM)を行い臨床使用されているが, シクロスポリンの内服は薬物動態の個人差が大きく, トラフ値でのTDMは薬物動態学的指標であるarea under the curve(AUC), Cmax, Tmaxなどを正しく反映しないことが多いとされ1), これらの指標を比較的正しく反映すると考えられる投与後2時間値(C2)や4時間値(C4)などの血中濃度を参考に投与量を調節しているケースが少なくない2,3). 一方, タクロリムスの内服はトラフ値の測定により免疫抑制効果の判定を行っていることが多い. しかし, 本剤もシクロスポリンと同様, 薬物動態の個人差が大きいことが知られている4).
ISSN:1346-342X
1882-1499
DOI:10.5649/jjphcs.34.496