輸液ポンプ使用時のパクリタキセル注射溶液の点滴速度に影響する要因について

「緒言」パクリタキセル(PTX, タキソール(R)注射液(ブリストル・マイヤーズ(株))に6mg/mL含有)は卵巣がん, 非小細胞肺がん, 乳がん, 胃がん, 子宮体がんに繁用されている抗悪性腫瘍剤であり, 5%ブドウ糖液あるいは生理食塩水に希釈して注射溶液(以下, PTX溶液と略す)として点滴を行う薬剤である. 最近では, 少量のPTX(50~100mg/m2)を1時間で点滴するweekly投与の有効性が示され1-3), わが国では従来からの3週1回投与に加え, 2007年12月には, 乳がんに対するweekly投与が追加承認された. パクリタキセル注射液(タキソール(R)注射液, 以下PT...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:医療薬学 2008, Vol.34(5), pp.467-473
Hauptverfasser: 大村, 知子, 藤澤, 浩美, 室, 親明, 山下, 典子, 黒田, 訓宏, 濱口, 常男, 門林, 宗男
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:「緒言」パクリタキセル(PTX, タキソール(R)注射液(ブリストル・マイヤーズ(株))に6mg/mL含有)は卵巣がん, 非小細胞肺がん, 乳がん, 胃がん, 子宮体がんに繁用されている抗悪性腫瘍剤であり, 5%ブドウ糖液あるいは生理食塩水に希釈して注射溶液(以下, PTX溶液と略す)として点滴を行う薬剤である. 最近では, 少量のPTX(50~100mg/m2)を1時間で点滴するweekly投与の有効性が示され1-3), わが国では従来からの3週1回投与に加え, 2007年12月には, 乳がんに対するweekly投与が追加承認された. パクリタキセル注射液(タキソール(R)注射液, 以下PTX注射液と略す)は投与時の取扱い上, 特別の注意を必要とすることが添付文書4)に記載されている. PTX溶液を自然滴下あるいは滴下制御型輸液ポンプを用いて点滴する場合には, 点滴速度が遅くなるため, 点滴速度の調整を行う必要があり, 自然滴下方式での点滴速度の調整情報はすでに報告5)されている. しかしながら, 滴下制御型輸液ポンプ使用時の詳細な調整情報については, 未だ報告されていないため, 滴下制御型輸液ポンプ使用時の安全性確保のための詳細情報が必要と思われる. 最近, 輸液ポンプを用いたPTX溶液の点滴において, 輸液ポンプの流量設定間違いによるインシデントの発生が報告され, 厚生労働省のホームページ(http://www.mhlw.go.jP/shingi/2004/07/txt/s0707-1.txt)および日本医療機能評価機構のホームページ(http:/jcqhc.or.jp/html/documents/pdf/14th_kijyutu.pdf)に掲載された.
ISSN:1346-342X
1882-1499
DOI:10.5649/jjphcs.34.467