薬剤師の病棟常駐による医療の質的向上への貢献
「緒言」医療事故を減らすことは重要な課題であり, さまざまな取り組みがされてきたが, 十分な成果は得られていない. 日本医療機能評価機構の医療事故情報収集等事業平成18年年報に報告されたヒヤリ・ハットでは1), 処方・与薬に関する事例は全体の約1/4を占め, その発生場所の72.9%が病棟であった. 当事者の職種では看護師が74.5%と最も多かった. このことから, 病棟で薬剤師が関与しているこれまでの薬に関わると考えられるすべての業務(以下, 薬に関する業務と略す)には問題があり, その一つとして薬に関する業務の多くを未だ看護師が担っていることが示唆された. 薬に関する医療過誤は看護師によっ...
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Veröffentlicht in: | 医療薬学 2008, Vol.34(5), pp.426-432 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「緒言」医療事故を減らすことは重要な課題であり, さまざまな取り組みがされてきたが, 十分な成果は得られていない. 日本医療機能評価機構の医療事故情報収集等事業平成18年年報に報告されたヒヤリ・ハットでは1), 処方・与薬に関する事例は全体の約1/4を占め, その発生場所の72.9%が病棟であった. 当事者の職種では看護師が74.5%と最も多かった. このことから, 病棟で薬剤師が関与しているこれまでの薬に関わると考えられるすべての業務(以下, 薬に関する業務と略す)には問題があり, その一つとして薬に関する業務の多くを未だ看護師が担っていることが示唆された. 薬に関する医療過誤は看護師によっても防止対策が検討されているが2), 近年特に薬物療法は複雑多様化し, 専門的な知識が求められて いるため, 看護師だけで回避するのは困難である. そのため, 薬の専門家である薬剤師が病棟に進出して薬に関する業務に積極的に従事し, ヒヤリ・ハットの減少に貢献することが重要であると考えられた. これまで, 薬剤師が看護師の行ってきた薬に関する業務に関与した報告や3-5), 病棟常駐による薬に関する業務(以下, 病棟常駐業務と略す)を試行した報告はあるが6,7), これらは薬に関する業務の一部を行った報告である. |
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ISSN: | 1346-342X 1882-1499 |
DOI: | 10.5649/jjphcs.34.426 |