成人生体肝移植患者におけるタクロリムス血中濃度の経時的推移ならびに肝機能検査値との相関性について
「緒言」生体部分肝移植術は非代償性肝硬変, 劇症肝炎, 一部の肝がん, 胆道閉鎖症など各種難治性肝疾患に対する根治療法として実施されており, 2004年1月より保険適応の拡大となった. 岡山大学医学部・歯学部附属病院(以下, 当院と略す)では1996年8月より重篤な肝疾患患者に対して生体部分肝移植術を施行し, 良好な治療成績を収めている. タクロリムスおよびシクロスポリン等の免疫抑制剤は臓器移植後の免疫抑制療法の中心的な役割を担っている. これらの免疫抑制剤の血中濃度を適正に保つことは, 感染症ならびに重篤な副作用発現の回避に極めて重要である1). これらの免疫抑制剤は体内動態の個人差が大きい...
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Veröffentlicht in: | 医療薬学 2007, Vol.33(8), pp.674-679 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「緒言」生体部分肝移植術は非代償性肝硬変, 劇症肝炎, 一部の肝がん, 胆道閉鎖症など各種難治性肝疾患に対する根治療法として実施されており, 2004年1月より保険適応の拡大となった. 岡山大学医学部・歯学部附属病院(以下, 当院と略す)では1996年8月より重篤な肝疾患患者に対して生体部分肝移植術を施行し, 良好な治療成績を収めている. タクロリムスおよびシクロスポリン等の免疫抑制剤は臓器移植後の免疫抑制療法の中心的な役割を担っている. これらの免疫抑制剤の血中濃度を適正に保つことは, 感染症ならびに重篤な副作用発現の回避に極めて重要である1). これらの免疫抑制剤は体内動態の個人差が大きいため2,3), 頻回な血中濃度モニタリングを実施しなければいけない. 事実, 当院における生体部分肝移植術後では患者個々の至適投与量設定により拒絶反応を抑制するために術後2週間は毎朝のトラフ値測定を実施している. しかしながら, このように移植後の数週間は厳密な血中濃度モニタリングによる至適投与量設定を行っていても, 血中濃度の安定しない症例を経験する. この原因としてはさまざまな点を考慮する必要がある. |
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ISSN: | 1346-342X 1882-1499 |
DOI: | 10.5649/jjphcs.33.674 |