2型糖尿病患者に対する塩酸メトホルミン投与時の血糖・血清脂質代謝変動

「緒言」塩酸メトホルミンは, 肝での糖新生を抑制し, インスリン感受性を促進させ, 血糖低下をもたらす薬剤として開発, 使用されている. 近年, 塩酸メトホルミンがAMP-acivated protein kinase(AMPK)を活性化することが報告され, これにより肝における糖新生の抑制, 筋における糖取り込み増加が得られると考えられている1). 本剤による血中総コレステロール(TC), 血中中性脂肪(TG)の低下について報告されており2), AMPKの活性化が脂質代謝改善作用を示していることが示唆されている1). われわれは他にも要因がないかを検討し, 塩酸メトホルミン投与により, ヘパ...

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Veröffentlicht in:医療薬学 2006/10/10, Vol.32(10), pp.979-984
Hauptverfasser: 佐久間, 清, 佐々木, 英久, 真坂, 亙, 金井, 三良, 大平, 征宏, 小山, 朝一, 宮下, 洋, 白井, 厚治
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「緒言」塩酸メトホルミンは, 肝での糖新生を抑制し, インスリン感受性を促進させ, 血糖低下をもたらす薬剤として開発, 使用されている. 近年, 塩酸メトホルミンがAMP-acivated protein kinase(AMPK)を活性化することが報告され, これにより肝における糖新生の抑制, 筋における糖取り込み増加が得られると考えられている1). 本剤による血中総コレステロール(TC), 血中中性脂肪(TG)の低下について報告されており2), AMPKの活性化が脂質代謝改善作用を示していることが示唆されている1). われわれは他にも要因がないかを検討し, 塩酸メトホルミン投与により, ヘパリン静注前血清リボ蛋白リパーゼ蛋白量(preheparin LPL mass)が有意に上昇することを報告している(第102回日本内科学会総会, 講演会, 大平征宏ら, 日本内科学会雑誌, 0021-5384, 94巻. suppl. page191, 2005. 2;以下, 日本内科学会総会, 大平らと略す. ). LPLの発現はインスリンによって促進されることから3), われわれは糖尿病患者におけるpreheparin LPL massの意義について検討した.
ISSN:1346-342X
1882-1499
DOI:10.5649/jjphcs.32.979