あきば病院における漢方製剤服用患者のALT変動要因の検討

「緒言」天然資源を利用した漢方薬や生薬製剤は,一般に西洋薬に比べ作用が緩和で副作用が少ないとされ,今日のわが国の医療に欠かせない存在となっている.しかし近年,漢方薬や生薬製剤による副作用報告が散見されている1-5).1992年には厚生省発行の医薬品副作用情報(現厚生労働省発行の医薬品・医療機器等安全性情報)No.117において,漢方薬による肝障害について注意が喚起された.また,インターフェロン‐α製剤と小柴胡湯の併用による死亡例が報告され,1997年には医薬品副作用情報No.143に漢方薬の適正使用を求める注意が掲載された.以来,漢方薬の有効性・安全性に対する科学的評価を求める声が高まっている...

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Veröffentlicht in:医療薬学 2006/06/10, Vol.32(6), pp.504-510
Hauptverfasser: 中沢, 有紀子, 鈴木, 重紀, 根岸, 悦子, 中崎, 允人, 上野, 光一, 秋葉, 哲生
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「緒言」天然資源を利用した漢方薬や生薬製剤は,一般に西洋薬に比べ作用が緩和で副作用が少ないとされ,今日のわが国の医療に欠かせない存在となっている.しかし近年,漢方薬や生薬製剤による副作用報告が散見されている1-5).1992年には厚生省発行の医薬品副作用情報(現厚生労働省発行の医薬品・医療機器等安全性情報)No.117において,漢方薬による肝障害について注意が喚起された.また,インターフェロン‐α製剤と小柴胡湯の併用による死亡例が報告され,1997年には医薬品副作用情報No.143に漢方薬の適正使用を求める注意が掲載された.以来,漢方薬の有効性・安全性に対する科学的評価を求める声が高まっている.千葉県山武郡にある医療法人社団伝統医学研究会あきば病院(以下,当院と略す,医師総数3名;そのうち東洋医学会専門医兼指導医1名,非常勤の東洋医学会専門医1名)は,東洋医学を主体とした診療を実践している施設である.当院では,専門医による「証」の診断に基づき,各患者の体質や病気の進行状態にあったテーラーメイド医療を実践している.
ISSN:1346-342X
1882-1499
DOI:10.5649/jjphcs.32.504